人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

指導者の役割

引き続き武術研究。

 

読んで強くなったりはしないのだけれども、ブックレビューがなかなか熱かったので購入。

それは殆どが冒頭の著者による端書きに対する評価であったのだ。

 

著者がブラジリアン柔術グラップリングに対して、どのような姿勢で臨んでいるのか。

また指導者として何を考え、何を教えようとしているのか。

 

そんなことが、ほんの数ページのなかに示されている。

確かにそれが清々しいというか、良いのである。

 

技術もさることながら、マインドをどのように育成するか。

個人の成長だけではなく道場の仲間に対してもどのように貢献するのか。

 

そして指導者として、弟子に対してどのような姿を見せるのか。

亡き師匠は、指導者の役割は教えるだけでなく導くことが重要なのだと仰っていた記憶がある。

 

はて、そんなことできるのだろうか。

年始から考えさせられるのである。

 

折に触れて読み返したい、確かに良い本であった。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

良い本、悪い本

積読在庫消化。

 

Kindle日替りセールで買ったのだと思う。

連続起業家である著書が、これまでの経験から汎用的なスキルを語った一冊。

 

最初の一つ目は「すぐやる」だったりする。

そりゃ大事だ。

 

その重要性を語るエピソードが語られて、という感じで6つ続いていくのだが、あまり新規性は感じられない。

まぁ普遍的なスキルをテーマにしているので、新規性があるわけはないのかもしれないが。

 

個人的には「コンサル一年目の教科書」の方が心動かされたかなぁ。

なんだろう、この違い。

 

読者に届けたい熱量が違うように感じたのは、小生の勝手な印象でしかないと思うのだが、あまりピンとこない一冊であった。

生身の人間と向き合っていて、語り手の熱量、情熱が迸っていると、自然と引き込まれるように、本もまた、著者の熱量が読み手を惹きつけるのだろうか。

 

2023年はジャンルを問わず、書き手の熱量で本を探してみようか。

ブックレビューを眺めていれば、書き手の熱量の有無はわかるような気がする。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

起業して何したい?

積読在庫消化。

 

別に「ひとり起業」がしたい訳ではないのだけれど、小生のように転職歴が多い人間は、最後はフリーで独立して仕事を受けざるを得ないことがあるので、有事の備えとして読んでおくのだ。

数多くの「ひとり起業」に寄り添い、ドラッカー理論を勉強してきた著者による事例紹介&解説本。

 

ドラッカー理論とのことだが、そこはまぁマーケティングだったりランチェスター理論的な内容がたくさん含まれていて、違和感のある内容ではない。

こういうのを読むと本当に考えさせられるのだが、問題は起業して何がしたいか、なんだよね。

 

小生が「ひとり起業」がしたい訳ではない、と書いたのはそこで、起業してやりたいことがあんまり思い浮かばないのだ。

もちろん勤め人は面倒なことがたくさんあって、もっと自由で気楽な世界に憧れることはあるけれど、「ひとり起業」したからといって自由で気楽になれるとは限らない。

 

むしろもっと面倒なことを抱える可能性が高いのだけれど、それでもやっぱり「これがやれるから嬉しい」「このためなら頑張れる」みたいなことで起業しているからやっていけるはずなんだよね。

はっきり言って、今の小生にはそういうことがあまりなく…。

 

いや、正確に言うと、起業するに足る情熱を持ったテーマはない訳ではないけれど、今の勤め人として取り組んでいることの方がまだ優先度が高い、という感じかなと。

今より大変になったとしても情熱を傾けられるテーマを持ってますか、というのが起業を考える人が答えるべき問いなんだと思っている。

 

まぁ、ご参考ということで。

2022年ブックレビュー

今年も一年いろんな本を読みました。

「読書メモ2022」のタグでくくってブログを見返すとまぁ、ビジネス書を読み続けているのは良いとして、中国古典から禅宗へ真理を求めて発展したり、ビジネス書に飽きてミステリーとかハードボイルドとかSFとかに走ったり。

 

パンを焼いたりジャズを調べたりというのも今年の特徴だが、パンとジャズの本は取り上げていない。

格闘技、武術系も結構買って読んだ年だったかもしれない。

 

ざっと印象深かったもののリンクを貼っておく。

来年もよろしくお願いいたします。

 

 

▼ビジネス系

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あんまりもう中身は覚えていないのだが、好印象だったのと「風姿花伝」を座右の書にされていたのが印象深い。

 

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これも名著の類で、ちょっと冗長な気がしたが、ウィットに飛んでいて考えさせられる本なのであった。

 

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日々若者と対峙しながら仕事をしていて、衝撃だった一冊(そしてこのギャップはこれからも広がり続ける)。

 

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もうほんとよくわかってるなぁ、という新規事業の一冊。

 

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スポーツの話ではあるんだが、マネジメントというものがなんなのか、深く考えさせられる本(そういえば今年はワールドカップの年でした)。

 

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奥はそれほど深くないが、よくまとまった本(そういえば今年は値上げの年でした)。

 

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このメモ術は良かった(本当に役に立った)。

 

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中身がどうというより著者の名前にまつわるエピソードに爆笑しただけ(笑)。

 

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今更ではあるけれど、すごく大事なことがたくさん書かれていると思った。

 

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これもね、結構大事な箴言が多数だったなと。

 

 

▼趣味・教養

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有名な本を今更ながら読んだのだが、それなりに面白かったのは事実(調査研究手法に疑義を持たれているらしいけど)。

 

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酒はやめようと強く思った本(やめられた訳ではないがかなり減った)。

 

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強迫神経症ではないのだが、なるほど、へぇーと強く思った本。

 

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これはもうランナーあるあるでとても面白かった。

 

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これも名著、もっと早く読んでおくべきだった。

 

 

▼武術・格闘技

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戦いの始まりから終わりまでの流れを網羅した技術解説書で、普通に面白く資料的価値があると思った。

 

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これも戦いの始まりから終わりまでの流れを網羅していて、それでいて上達するとはどういうことかを独自のアプローチで示しており、とても面白かった。

 

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うん、開祖の人生はやっぱり面白いなぁという点と、ほら合気道は相手の力を利用するなんて一言も書いてないぜ、ということをコメントしておく。

 

 

▼おまけ

レビューは書いてないけど漫画も読んでいる。

今年はこれが最高だった。

 

全ての本の中で一番だったかもね(笑)。

まぁ、ご参考ということで。

勉強はずっと続く(だから焦る必要もない)

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哲学は師匠がお得意だった。

しかし、それは哲学することであって、哲学史や哲学者や思想の勉強ではなかったけれども。

 

本書はまぁ哲学史の話なので、一般教養の部類に入るのだろう。

詳細は深入りしないが、高校生がこの勉強しても、ただの丸暗記にしかならないんじゃないかなぁと思ったり。

 

やっぱり世界とどう対峙するか、なんていうのは、もう少し歳を取らないと自分ごとにならないと感じる。

そしてその問題意識は一生続くので、一生かけて学べば良いのだ。

 

古代ギリシャの思想が、現代に生きる人間の問いにどこまで答えてくれるかは微妙だし、近代思想にしても首を傾げるような主張が無いわけではない。

そんなこともひっくるめて教養であり、生涯かけて深めていくものだと思うんだけどね。

 

なんか山川の世界史とか、もう一度読み返したくなったよ。

まぁ、ご参考ということで。

習慣をコントロールする

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どうして洋書というのは長いのか。

値段が高いから頭を出さなければならないのか?

 

くどくど同じ話を延々説明しないと理解できないほど向こうの読者は頭が悪いのか?

そんなはずはない。

 

しかし、欧米圏の方が文字を追うのは苦手な人が多いようなので、くどくしないといけないのかもしれないし、読書の敷居が高いから有り難みがあるくらい長い方が好まれるのかもしれない。

まぁ、文句はそれくらいで。

 

本書は人生をポジティブに変えていくために、小さな習慣を増やしていくことを推奨し、実践のための理論を提示してくれる本。

良い習慣をとっつきやすく、悪い習慣をとっつきにくくする工夫がたくさんある。

 

小生もこれまで色々と工夫してきたつもりだが、それらを後押しする内容がたくさんある。

言っていることは素晴らしいと思うので、もうちょっと構成をシンプルにしてくれたらなぁ。

 

人材育成、子育て、健康、仕事。

いずれにも役立つ話なので。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

過信するべからず

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マニアックな本だ。

当時は社会で広く受け入れられていたが、後々存在が失われていった本たちの解説。

 

各書の成り立ちと、なぜ当時の社会で受け入れられたのかという背景説明、改めてそれをどう評価するのかという論評で何冊もの解説が続いていく。

どれも小生の知らない本ばかり。

 

世界史の授業でも出てこない。

だって魔女狩りとか、偽史に振り切った本とか、謎の言語で書かれた植物図鑑とかなので。

 

しかし、当時の社会を席巻したことについて、著者は笑ってはいけないと箴言する。

いずれも無知・無理解・不寛容から来るものなのであり、それは現代人とて同じなのだと。

 

情報量は増えた。

死ににくくなった。

 

でもハードウェアとしてのスペックは変わっていない。

そんな人類が、どれだけ偉そうなことを言えるというのか。

 

ゆめゆめ過信するなかれ。

まぁ、ご参考ということで。