人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

怒りの力

うつを治す本を読んで、流れでこんな積読在庫を手にする。

 

精神科医の立場で強迫症に罹患し、その道の専門医にかかって治癒した著者と、その専門医の共著による本。

まず強迫神経症とはなにか、という解説が当然あるわけだけれども、これがねぇ…。

 

誰でも心当たりがあるんじゃないかという症状が、日に日にエスカレートし、もはや生きていくことへも困難を感じる。

読んでいて身につまされる感じがなかなかつらい。

 

ちなみに強迫症は「確認系」「洗浄系」「ぴったり系」に分かれるらしい。

それはともかく、若き日の著者は強迫症を発症し、さんざん苦労した挙げ句(当然だ)紆余曲折を経て第一人者に出会う。

 

そしてその第一人者のアドバイスに従い、認知行動療法に向き合うことで、見事回復。

そう、強迫症は治るのである。

 

しかし、なかなか有効な治療を実践できる医療関係者が少なく、その第一人者も暗黙知によるところが大きい。

この現状に憤りを感じ、この本を世に出した。

 

それなりに長い本なのだが、その憤りが全編を貫いており、勢いがある。

読みやすいし、誰しも罹る可能性があるという意味では、精神的なゆとりのあるうちに目を通しておいて損はないと思う。

 

確認は繰り返すと癖になって症状が悪化するから、我慢しなきゃいけないんですってよ、奥さん。

やっても確認は二回までですって…。

 

いやぁ、大変だ。

まぁ、ご参考ということで。