SNSで本書の激しいレコメンドを目にして思わずポチって読む。
ビジネス書にはちょっと食傷気味だったんだけどなぁと思いつつ、今回は存外のヒット。
新規事業開発、業務改善いずれでも、大きな会社で新しい取り組みに関わる人は読んでおいて損はない。
新規事業開発のコンサルに長く従事していたけれども、大きな会社で新しいことを始めるというのは本当に大変。
POC(ピーオーシーと言ったり、ポックと言ったり)、すなわちProof of Conceptを実施することが求められるのだが、これがまあ地獄で。
そもそもコンセプトの証明は、何をもって「できた」というのか、という設計が大変。
それでもって、「できました」ということを納得してもらうのが大変。
金も時間もくれないのに、結果だけは求めた挙句、本当にそれで証明したと言えるのか、という問いが繰り返される。
これがまぁ悪気がないのがさらに始末が悪い。
正しい判断をしようとしているだけなのだが、やったことがないことというのは材料が揃わないことが多い。
そうなるとPOCは終わらない地獄と化す。
本書ではそれを「地獄のピタゴラスイッチ」と読んでおり、それを避ける術を教えてくれる。
そもそもPOCはやらない。
手間をかけすぎなので、もっと簡単な実験を推奨している。
本当に顧客がアクションを取るのか、という実験と言ってもいい。
それ以外にも、持ちネタが少ないからいつまでも一つのアイデアを捨てられない(だから地獄のピタゴラスイッチに入ってしまう)とかも共感。
アイデア発想のページもあるが、それはまぁテクニックで。
そんなわけで、本当に顧客がアクションを取るのか、という実験は本当に大事だよと。
まぁ、ご参考ということで。