人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

オチはないんかい

先日読んだ本の感想にも書いたけれど、会議・MTG・打ち合わせには必ずゴール設定が必要だと思う。

もちろん話の流れで変わったり、その変わっていく中で決まっていくこともあるけれど、基本的には「こういうことを合意したい」「こう思っていることを理解して欲しい」「真に解決すべき問題を明らかにしたい」みたいな狙いがあって、どんな話の展開にするかを構想して場に臨む。

 

そのへんの設計がなされていれば、立ったままでも30分ででも結構いろいろなことが決められるのだが、そういう設計がなされていないことが多いので、会議は多く、長くなる。

会議にアサインされた上司の感覚からすると、あんまり仕事ができない担当者ほど「で、何がしたいの?」「で、何が言いたいの?」「オチはないんかい」という場をセットしてくる。

 

とはいえ最近の人達は優秀だから、小生が若い頃ほど酷くはないんだけどね(笑)。

何を決めなきゃいけないのか、何にモヤモヤしているのか、解決すべき問題は何なのか、ハッキリしていないから相談したいという気持ちはよく分かる。

 

それを事前にしっかり考える余裕がないのもよく分かる。

そういう相談や壁打ちに付き合ってあげるのも上司の仕事、というのも確かにそうだと思っている。

 

だから嫌な顔ひとつせず積極的に、むしろこちらから促すくらいの勢いでMTGに参加しているのだが、一日7件とか8件とか入るとなぁ…。

メンバーが成長してくれば、決めるだけの会議になるのかもしれないけど、暇になったり、アテにされなくなるのも、それはそれで嫌だなぁ、なんて矛盾することを考えたりもするけれど(苦笑)。

 

ま、でも話にオチは作ろうぜ。

人間のコミュニケーションの基本だよ。

 

まぁ、ご参考ということで。

凡人なんかいない

こんな本を読む。

 

まぁ、タイトル通りの本だったなと。

同じメソドロジーで起業した人達のインタビューも載っていたりして、なかなかに読ませるし、自分だったらどんな分野、やり方があるだろうと考えてみたりもする。

 

何が凡人なのか?

ぶっ飛んだ才能があるわけではなく、コツコツ目の前の仕事と信用を積み上げながら、その延長として起業していくというのが凡人起業たる所以。

 

信用を積み上げ、今の勤め先にも起業を応援してもらおうなんていう話は、勤め人として良い心がけだと思うし、なんだか江戸時代の人情噺に出てくるような、暖簾分けみたいなストーリー(別に勤め先と同じ事業で起業するわけではないが)。

でもね、人情噺でも、まじめに一生懸命働く主人公がそうなるわけで、それはそれで非凡だと思うんだよね。

 

ぶっ飛んだ才能も努力無くしては活かしきれない。

一方、単純な努力を続けられることもまた才能。

 

まじめにちゃんとやる人が、非凡な結果を得ることができる。

凡人なんかいないんだ。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

技を磨きながらも其処から自由であること

ライフワークの一つである武芸の話で恐縮だ。

知っている人は知っているのだが、武術研究家である甲野氏の新刊が出ていたので、なんとなく読む。

1700円も払ったんだから、もっと味わって読めばいいのに、どうもビジネス書を一気読みする癖が抜けず、すぐに読み終わってしまう。

甲野氏も72歳かぁ…なんて感慨はともかく、老境に差し掛かった甲野氏によるエッセイ。

 

技、というより身体の使い方も載っているけれど、普通の人は多分再現できないので意味はないのだと思う。

なので、本当にエッセイなんだけれども、人生の半分以上、武術と関わってきた小生には感じるところもあり、本書にそう書いてあったわけではないけれど、心に浮かんできたのが今日のタイトル。

 

我々は一生懸命に技を磨いているのだけれど、稽古を続けていると、その技が例えばドウェイン・ジョンソンにもかかるのか、どうやったらかけられるのか、みたいなことを考えてしまう。

まさにアメリカの諺だったか、「ハンマーを持つ者は全てが釘に見える」というやつだ。

 

ドウェイン・ジョンソンに技をかけなきゃいけないようなシチュエーションになってしまっている時点で武術家としては失敗で、もし争うことがあるとすれば、そこは漢字テストとか西欧人相手なら100%勝てる勝負に持っていかなければならない。

技を磨かなければ何のために生きているのかよくわからないが、そこに囚われているようでは却って危うくしてしまう。

 

さてさて、この先どんな道があるのやら。

まぁ、ご参考ということで。

 

転職者の強み

こんな本を読む。

 

評価が難しい本だと思った。

自己紹介と仕事に対するポリシーを熱く壮大に語られた感じ。

 

「なるほど〜、仰る通りですね!」だし、面白いのは面白い。

でも、マーケティングを仕事にしている人が、直ぐに役立てられる具体的な方法論があるわけではない。

 

また本書は、著者自身の経歴を題材にしたキャリア論でもあるのだが、それもやたらに真似できるものではないし、そもそもキャリアは真似するものでもない。

だが言えるのは、明確に「特定の経験を獲りに行く」ことを目指して転職すれば、ただ会社に所属していたのでは得られない経験=キャリアが得られるし、転職を繰り返すことはデメリットも多いけれど、いろいろな業界・会社に仲間を増やせることでもある。

 

一つの会社に居ただけでは得られない経験を獲得し、ともに働いた人と良好な関係を維持し続けるというのは、それだけ真剣に仕事に向き合わないと実現できないし、高いコミュニケーション能力が要求される、なかなかタフな職業人生なのだが、裏を返すとそれこそが転職者の強みなんだと思っている。

みなさん、良い転職を。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

本の値段

その本が高いか安いか、それは主観的で相対的なものだ。

価値を感じれば安いと思うだろうし、価値を感じなければ高いと思うだろうが、それは人それぞれだし、同じ人でもタイミングによって感じ方は違うことがある。

 

電子書籍ではない一般的な本(この表現をわざわざするのも変なのだが)であれば、本の中身だけではなく、デザイン・装丁・質感など、モノとしての価値、書棚に置いた時の誇らしさ、人に見せた時のマウント力なんていうのも価格に含まれるかもしれない。

まぁ、そんなことは当たり前なんですよ。

 

そう思って本と向き合ってきたし、まさかグラム当たりいくら、ページ数が多いから高いとか安いとか、そんなことを考えていたわけではない。

だが最近ちょっと感覚を揺さぶられる体験があった。

 

先日読んだマーベルに関する電子書籍、マーベル社が長い紆余曲折を経て大成功を収め、「そろそろ終わりかな?」と思ってKindleの表示を見ると全体の55%くらいの位置。

「あれ、まだなんの話があるんだっけ」と思いつつ読み進めると、原著の註釈、訳者解説、訳者による追加の註釈でラスト三割くらいを占めていたのであった。

 

マーベルなので色々なキャラクター名が登場し、その註釈をつけてあげることは必要だし、悪いことではないのだが、その時ふと思ったのだ。

いま目の前に400ページくらいの分厚い本があったとして、その厚みを眺めつつ、厚みの三割が註釈であると知ったら、その本を買うだろうかと。

 

註釈に金を払わされていると思ってしまったら、それが必要なものだったとしても、買わないような気がする。

別の日、近所の本屋で平積みの書籍を眺めていると、電子書籍で読み流した本が売っている。

 

セールで三分の一くらいの値段で買い、既に内容を知っているからそんな風に感じるのかもしれないけれど、これ紙の本だったら買ってなかっただろうなと。

読み返すほどのものでなければ場所を取るだけなので、安くてもいらないし、リアルに手に取る存在なのであれば、ずっと手元に置きたくなるような、もっと自分にとって価値のあるものであって欲しい。

 

紙の本は註釈やリンクを大量につけるのは憚られるかもしれないが、それが必要なのであれば電子書籍のフォーマットの方が適しているのかもしれない。

電子書籍はモノとしての価値への期待が低く、買っておいて邪魔になることがないから、購入のハードルは低いかもしれない。

 

紙と電子、新たなフォーマットによって、本の値段は更に多様化したんだな。

まぁ、ご参考ということで。

組織の成長と人材レベル

妻との朝の会話で、最近のアイドルグループの顔の区別がつかない、という話になる。

オジサン・オバサン特有の会話といえばそれまでなのだが、企業の採用と似たような話だなぁとちょっと思ったりする。

 

アイドルグループの創成期って、やっぱりキャラが立った、よくも悪くも荒削りなメンバーで始まり、成功とともにメンバーが入れ替わり、だんだん美男美女が増えていく。

美男美女だけどソロで勝負しない人達だから、特徴がなくだんだん顔の区別がつかなくなっていく。

 

その先、最悪は「なんかよくわからん」となって飽きられ、衰退していくのかもしれない。

創成期が良かったとか、そういう意味じゃなくて、レベルは絶対あとから入った人達の方が高いんだけど、特徴がなく金太郎飴になっていくのがどうなのか、という話。

 

ほら、組織の成長の話と一緒でしょ?

創業期のメンバーは良くも悪くも荒削り。

 

素行とかコンプライアンスとか、あとから評価すると目も当てられなかったり。

でも事業が成長しだすと、あとから大手企業出身者とか高学歴の人材が増えていき、はては戦略コンサル出身とか海外MBAとか博士号だとかを採用するようになる。

 

しかし、いくら経歴がキレイでも、そこは所詮サラリーマン。

起業家になる人達ではないので、そこまでの特徴はなく平板な組織になっていく。

 

その先、最悪はエッジの効いた戦略が展開できず、衰退していくのかもしれない。

創業期が良かったとか、そういう意味じゃなく、マズイこと駄目なこともいっぱいあったし、今の人材のほうが圧倒的に優秀なのに、ダイナミズムが失われていく。

 

それはどうなんだ、という話。

縁あって、こんな本を読む。

 

「宇宙商社」というコンセプトで現在進行系で成長している企業経営者による創業期。

一人の熱い思いでスタートし、組織が大きくなっていくストーリーに、面白いと思いつつも、金太郎飴みたいな組織にならなければいいなぁと、余計なお世話ながら感じた次第。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

プロの技

こんな本を読む。

 

なんということはない、友人が著者なんですけどね。

イノベーションの種を生むためにSF、サイエンスフィクションの知見を活用しよう、という趣旨。

 

優れたSF作品は、人間や社会の本質が根底に描かれており、そこに特定のシミュレーションを加えたらどうなるか、という思考実験のエンターテイメントなので、本書の趣旨には大いに共感するもの。

冒頭がSF思考の意義、中盤がその思考を引き出すワークショップの手引き、後半が実際のワークショップでのアウトプットを下敷きにした数本のSF小説

 

そう、本書ではアウトプットの総仕上げとしてプロに小説として仕上げて貰うことを推奨している。

正直、普通の会社ではハードルが高いような気がするが、いやいや、トライしてみる価値があると感じさせる仕上がりである。

 

作品化にあたってのプロの先生からの質問も紹介されているのだが、例えば「舞台となる時代の人口推計と各地域ごとの人口格差はどうなっているか」など、もちろん創作には必要だけれど、ビジネス構想に関わる本質的なやりとりである。

そしてそれぞれのSF作品が面白い。

 

日本にも優れた書き手がたくさんいるんだな、というのは普通に喜ばしいとして、やはり構想された未来の説得力が違う。

新しい技術が具体的にどんなもので、それを当たり前とする未来の人はどんな生活をしているのか、そして、ここが本書の重要な示唆なのだが、そんな未来で生き辛さを感じている人はどんな人なのか、どんな悩みがあるのかも描かれている。

 

突飛なアイデアの具体化だけでなく、そのアイデアがもたらすデメリット、そしてそれを解消するビジネスチャンスが、目を閉じれば映像が浮かぶように伝わってくる。

さすが、プロだなぁ…。

 

新規事業の伴走で突飛なアイデアは死ぬ程見たし、考えもしたけれど、その具体化となると、素人のアウトプットは聞いているこちらが恥ずかしくなるようなレベルなのである。

それをここまでの「作品」に仕上げるとは。

 

いやはや、凄いものである。

まぁ、ご参考ということで。