人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

戦略はシンプルが良い

会社の同僚に勧められて拝読。

 

WTP、WTSという概念を提唱している。

Willingness to pay ,Willingness to sell の略。

 

商品・サービスについて、どれくらい払ってもいいと思ってくれるか、あるいはどれくらい安く売っても満たされると感じられるか、その差が価値なんだ、というシンプルな議論。

付加価値を上げればWTPは上がるし、調達コストが下がったり従業員満足度が高ければWTSは下げられる。

 

それらを付帯サービスも含めて具体的に検討しようという話。

早速バリューマップを作ろうぜ、ということで、バリューマップというのはカスタマージャーニー観点で洗い出した購買決定要因のようなもの、と見受けられるのだが、競合対比で何を強みとし何を捨てるのか、を考える。

 

個人的には、これってブルーオーシャン戦略のバリュープロポジションじゃね?という気がしなくもない。

まぁそれは学会の偉い人たちの議論を経ているのだから、そういうことじゃないんだろう。

 

なんせ、コンセプトが非常にシンプルでよろしい。

巻末にも書いてあるが、シンプルじゃないと組織の末端に浸透しないからね。

 

いや、複雑な戦略は組織の末端に浸透するプロセスで単純化されていき、それが時に間違いに繋がるんだよ。

複雑な戦略を複雑なまま実行でから組織なんて、ファンタジーだと思った方がいい。

 

なのでシンプルな戦略は素晴らしいのです。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

実はすごい人?

積読在庫消化。

 

ウェアラブルセンサーを使った実験を、日本の日立グループでやっていたのは認識していたのだが、その本丸をやっていた人の本のようである。

なんか世界的にすごい受賞歴を持っているようだが、その知見を世界が理解して社会実装していくのはまだ道半ばのようだ。

 

なるほどと唸らされたのは、活動量と幸福度、そして仕事のパフォーマンスは連動するということである。

そして活動量は本人の認識にかかわらず一定の範囲に収斂していく。

 

その辺りのマネジメントを個人として、また組織としてどうやってデザインしていくか。

この辺りが今後のポイントになっていくのだろう。

 

長い本ではあるが、色々と考えさせられる内容。

もっと知られても良い、偉大な日本人、というところだろうか。

 

俺のApple Watchは何を計測してくれているのかねぇ。

まぁ、ご参考ということで。

野心があるから成長するし辞めたくもなる

もう転職のエージェント業から足を洗って10年以上経つのだが、いまだにご相談をいただくことがある。

採用したいというお話は、キャンディデートを抱えていないのでお断りするか、知人のエージェントを紹介するが、転職したいというお話は何かお役に立てればと思ってお聞きしている。

 

そういうお話は当然、色々と不満がある。

いや、純粋な不満だけでもない。

 

こんなはずじゃなかった、結果が出ない。

頑張ってはみたが、おそらくお役御免になる。

 

上がわかってない。

悪い話ではないが腹に据えかねる。

 

なんか面白くない。

何か他に道があるのでは。

 

おいおい、そんな子供みたいなこと言うなよ、と思う話もあるが、まぁ腹に据えかねてるんだからしょうがない。

頭に来るっていうことは、真剣に仕事に取り組んでいるからでもある。

 

理想があるから、そうじゃない現状をなんとかしようとする。

野心があるから、もっと上を目指して努力もするし、深謀を巡らせるし、結果も出そうとするし、思い通りの人事にならないとガッカリする。

 

まぁコレでええわと思ったら、成長もしないし、辞めようとも思わないんだよね。

それはきっと本人のためにも所属する会社のためにもならないんだけど。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

みんな悪い人じゃない

積読在庫消化。

 

Kindle日替りセールだったか。

あさ出版セール出現率高いな…。

 

ほとんどの中小企業の社長は、一生懸命頑張っていて社員を大切にしようと思っているのだが、それでもビジネスは一筋縄ではいかないのだ、だから頑張るのだ、みたいな本。

我ながら雑なまとめ…。

 

中小企業の経営指南を長く続けてきた著者の想いがこもっている。

こういうことをやってはいけない、みたいな話が多い気がしたので、画一的な理論を全編通じて説くタイプの本ではない。

 

やっぱり中小企業の社長さんが読むべき本なのかな。

まぁ、ご参考ということで。

わかってて読むならいいけど

積読在庫消化。

 

AIとDXのコンサルティングを行う会社の経営者による本。

AIとDXについて、概論、取り組み時の考え方や注意点について、本書冒頭と最終章で全体の四割くらいの割合で説明してくれるが、残りは同社のソリューション紹介とクライアントへのインタビューという本である。

 

他社状況や事例を知りたいと思って買うならいいが、上記の割合を考慮すると記事広告みたいだなという印象。

日経のIT系雑誌の連載記事とかでよくありそうな感じ。

 

言っていることは極めて正論だと思ったし、ソリューションも「ふーん」とは思ったが、一般の書籍と思うと、ちょっと疑問符がつくかなぁと思った。

そういうことをわかってて読むならいいけれど。

 

まぁ、ご参考ということで。

思いもよらぬ出会い

成人発達理論の本を読み、興味深かったので広げてみた。

 

先日の著者監修で、コーチング会社経営者執筆のお仕事小説。

なんか小説としてすごく良くできていて、さては池井戸潤を読んでいるなという感じ(そういう小生も数冊しか読んでないけど)。

 

本人の天敵と思われる小林課長はトラウマ級の怖さだし、本人の心理的葛藤もとても共感できる繊細な内容(ちょっと根性なしだけど)。

憧れの課長が理路整然としすぎていて、そんな奴はいねぇと思うが、ここは本の趣旨を考慮して目を瞑ろう。

 

ともかく、小説としても良くできているし、成人発達理論とは具体的にこういうことか、ということが理解できる、とても出来が良いビジネス書という印象。

著者が後書きで、読んだあと読者に少しでも変化が起きることを目指した、とあるのだが、まさにそんな感じ。

 

主人公の冒険と成長を間近に見ながら、ちょっとしたスイッチが何度か起動する。

そして自分はどうか、何かできるかと内省し、人に話してみる。

 

折に触れて読み返したいと思うのであった。

まぁ、ご参考ということで。

 

それはまぁ変えられないことはないはず

積読在庫消化。

 

なんだろう、組織・マネジメントとかモチベーションとか、そういう議論の最近の論点をざっと紹介している本。

個人的には「ああ、あれね」という情報群ではあるので、特別な驚きや学びはないのだけれど。

 

今時の働き方や組織にしていくためにはどうしたらいいのよ、という質問に対して、ブレイクダウンした指針を示しているところが評価された本なんだろうなとは思う。

とはいえ、戦略と組織は裏表だと小生は思うので、組織論だけいじくり回してもよろしくないはず。

 

なんのビジネスをしていて、どこを目指していて、ライバルはどんな感じで、現在のオペレーションや組織はこうで。

なのでこういうふうに持っていく、というビジョンというかイメージでいいんだけど、そういうイメージを並行で議論しながら「今時の」組織を作らなきゃいけないと思うんだよね。

 

変えられるか変えられないかで言えば、それはまぁ変えられますよ。

でもそれは、とにかく「今時の」組織に変えればいいわけじゃないからねぇ。

 

まぁ、ご参考ということで。