こんな本を読む。
Kindle月替りセールで買ったのだろうか。
非常に評価が高かったのと、著者の名前は耳にしていたので手にしたのだ。
少々長い本で、要点を整理すれば三分の一くらいに圧縮できるはず、というのは海外のビジネス書でよくあるパターンなのだが、本書は長くても楽しく読めたのである。
というのも、著者が既存の「戦略」と名がつくものをバッサバッサと批判するのが痛快で、また織り交ぜられる様々なエピソードが魅力的だから。
有名企業や組織の実際の戦略を引っ張り出してきて、「いやこれ何も言ってないに等しいでしょ」「組織の定義をそのまま言い換えただけでしょ」「意味わからないでしょ」みたいに切っていくところは思わずニヤリ。
実際に関わった戦略策定の鋭さに思わず唸らされたり。
いやいや、殆どの会社が戦略不在だなぁと思わされるわけで、さぁどうしようと考え込んでしまう。
本書のエピソードの中に、カーネギーとテイラーの話があって、非常に感銘を受けた。
カーネギーは当時売り出し中のテイラーに「何か気の利いたアドバイスをしてみろ。気に入ったら後で100万ドルの小切手を送る」といい、テイラーは「最も重要で自分が行うべき10のリストを作り、大事なものから取り組め」と言ったそうだ。
そして後日カーネギーは100万ドルの小切手をテイラーに送ったそうである。
重要な問題に向き合っていて実行可能なもの。
それこそが戦略という重要な示唆である。
まぁ、ご参考ということで。