人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「君たちはどう生きるか」 読了 〜知識と経験〜

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君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

  • 作者:吉野源三郎
  • 発売日: 2017/08/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

というわけで、池上彰氏の解説に続いて原著を週末に一気読み。

娘に適したものならさっさと渡そうと思ったので、ちゃっちゃと読んだのだが、流石に小学三年生にはまだ早いかもしれない。

 

内容についてはすでに多くの人が読んでいるであろうし、解説もあちこちで出ているので割愛。

たしかに長きにわたって読み継がれる名著だとは思った。

 

時代背景こそ古いものの、思春期のアイデンティティの悩みであるとか、友情とか格差とかいじめであるとか、普遍的なテーマを扱い、一つの方向性を示しているのは確かだし、娘にも読ませたいとは感じた。

小生が中学生の時に出会っていたらどんな感想を抱いたのか、それはそれでまた興味深いところではあるが。

 

本書で一つのテーマになっているのが、子供が大人になるプロセスで、知識としては知っていることを、いかに自分の人生の中で体感し、理解してまた人生に向き合っていくか、というものがあると思う。

知識は知識として大事なものであるが、それ以上でもそれ以下でもない。

 

自分の経験として再措定できた知識こそ、真に拠り所になる。

だとすればこそ、どんな経験を自分の中に蓄積していくか。

 

「どう生きるか」という問いには、そんな投げかけが含まれていると思う。

なんて真面目なことを書いて恐縮なのだが、本を閉じて出版社名「マガジンハウス」に「おやっ?!」と驚く。

 

そうか、散々読み継がれた古典を漫画と新装版に再編集し、それぞれ200万部と50万部を売り切ったのはマガジンハウスの仕事なんだなと。

漫画で需要を掘り当て、新装版で更に売る。

 

これはまたビジネス的にも唸らせられるのであった。

まぁ、ご参考ということで。