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昨日に続いて水木しげる氏の著作。
年末積読在庫処分である。
昨日の本同様、面白いというレビューを見て買ったのだが、たしかに興味深い自伝である。
生い立ち、少年時代の思い出から、兵役体験、戦後の苦労、人気漫画家になって現在に至るところまでが、淡々と語られていく。
兵役体験はそれこそ、他の人の手記もいくつか読んでいるが、その壮絶さは類書と変わりがなく、のちに続く世代としては平身低頭するばかり。
しかし、水木しげる氏が変わっているのは、南の島の現地住民とやたら仲良くなってしまい、本気で住み着こうか悩んでしまうあたり。
そして戦後は戦後でもの凄い貧乏と苦労をする。
「戦地にいたときの方がまだマシ」という貧乏とはどれほどのものか、今の人間には想像もつかない。
また、戦後の混乱期に氏が関わりを持つ人々の奇人変人ぶりといったら、もう漫画のようである。
実際読みながら、水木しげる氏の絵で、あの独特の表現で、登場人物が動き回る姿が見えてくるようであった。
貧乏も変人も、正直「引く」くらいのぶっ飛び方なのだが、四十代の小生でそうなのだから、今の若い人が読んだらどう思うのだろうか。
いやはや、遠い時代になったものである。
まぁ、ご参考ということで。