人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

持ち時間5分と言われたら

仕事の折々で、「じゃあ持ち時間5分でお願いします」とスピーチをお願いされることがあると思う。

大抵の人は困るんじゃないだろうか。

 

普通、何をどう喋っていいか見当がつかないからだ。

稀に、喋りたいことが山ほどあるのに時間が短すぎる、という人もいるけれど。

 

「何をどう喋っていいか」と言いつつ、なんのテーマもなく時間だけ渡されるケースはあまりなくて、なんらかのアジェンダがあるはずだ。

なので、そのメインテーマを軸に喋る内容を考えることになる。

 

さて、日本人が1分間に話せる文字数は300字程度といわれている。

それもそれなりに早口で300字なので、普通の速度だったり、間があったりするともっと少ない。

 

ということは持ち時間5分なら300字×5分で1500字がマックス。

原稿用紙4枚、10ツイート、WordならA4で三分の二といったところ。

 

どうだろう、思いの外短くないだろうか。

さらに細かくする。

 

①導入部

挨拶、これから〇〇について話すよとか、自分に関する話題で聴衆に事前に入れておくべき話題(知らない人が多い場なら自己紹介的なトピックとか)など。

これでもう2ツイートくらい使うと思う。

②本題

指定されたアジェンダを「絶対にこのメッセージだけは覚えて帰らせたい」という絞り込み、「相手が今日聞いた話をどのように人に説明するか」といった伝え方の切り口で考え抜く。

ここで、言いたいことを言いたいように構成を組んでしまいがちなんだけれども、あくまで聞き手目線で。

どんな人が参加していて、どんな話を書きたいと思っているのか。

そこを整理した上で、何を伝えるべきなのか?

この辺りを吟味する。

1アジェンダなら問題提起・結論・理由で2ツイートずつ、3アジェンダなら各アジェンダの結論だけで2ツイートずつで計6ツイートとなる。

③締め

結論の再提示、感謝の言葉、引き続きよろしく、これからも頑張ります的な前向きなメッセージで1〜2ツイート。

 

概ねこんな感じ。

本題が締まっていれば変なことにはならないはず。

 

さらにいうと、持ち時間を使い切ることにプレッシャーを感じる必要はない。

4分半でも5分のうちに入るし、よくわからない話を5分強でダラダラ喋る人より、研ぎ澄まされた内容で4分半の方がカッコいい。

 

レスイズモア、である。

さて、持ち時間5分ではない場合はどうするか。

 

持ち時間が短くなったのであれば①導入部、③締めを削って本題の部分を研ぎ澄ませれば良い。

本題のところのメッセージ性のインパクトを磨き込むのだ。

 

逆に、長くなった場合は本題の問題提起で時間を使う。

問題提起が大袈裟になればなるほど、聞き手は重要な話なのかなと耳を傾けてくれるし、後に続く結論とのコントラストが大きくなって心に残りやすくなる。

 

積み上げた山が高いほど、ぶっ壊した時のカタルシスが大きい、みたいな感じである。

要するにネタ振りとオチのギャップをどう作るのか、ということなので、長くなればネタ振りを壮大にしていくだけの話。

 

まぁ、ネタ振りが冗長すぎるのも限度があるけれど…。

10分、1時間みたいなレベルで長くなるのであれば、結論の論拠・理由を補強するエピソードや具体例を入れるのもいい。

 

そんな感じで時間の調整をする。

もちろん、スピーチのテクニックだけで、本が何冊も書けるくらいのノウハウが世の中にはあるわけなんだけれど、今日のところは「スピーチは1分あたり300字」、これだけは覚えておいてね、ということを言っておきたい。

 

きっと人生の折々に役に立つはず。

まぁ、ご参考ということで。

※以上1500字(笑)。