積読在庫消化。
何かのレビューで高評価だったのを見て、電子書籍が無いので紙で購入し、なかなか手をつけずに本当に棚に置きっぱなしだった本。
結論からいうと「今年の一冊」候補に入れても良いくらい面白かった。
誰もが知っているレゴ、その会社と製品の成り立ちをサラッと紹介した後、本題は90年代後半からの転落と復活。
初期の成長が一段落し、頭打ち感が出てきたところで外部招聘のプロ経営者が入り、大きな戦略転換と流行り物の戦術を次々に打ち出す。
本書でもそのような評価だが、一つひとつの戦術は必ずしも間違いではなかったのだが、結果的に業績は悪化し、破綻の危機に陥る。
その後、創業家への大政奉還に併せ、30代の若手リーダーが指揮を取りつつ、創業の精神をもとに流行り物戦術の整理に取り組み、見事復活する。
一つの会社の歴史において、ビジネス上の戦略・戦術の失敗と成功を体現した例は珍しいと思う。
その珍しい例を取り上げた上で、本書の示唆は貴重である。
戦術そのものは正しかったとしても、たくさんの打ち手をあれこれ同時に進めてはいけない、ということである。
正しい理論でも、使い方を間違えれば失敗する。
当たり前と言えば当たり前だけれど、重要な話だと思った。
まぁ、ご参考ということで。