人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

個人プレーだからこそ

こんな本を読む。

 

Amazonのレコメンドエンジンは本当に優秀だな。

本書はタイトル通りの内容なのだが、著者の文化人類学者も相当速く、フルマラソン2時間20分がベストという、日本なら実業団レベルの人で、エチオピアのランニングチームに一年半にわたって所属、共同生活を送りつつ、レースにも出たり、まさに一員として過ごしたフィールドワークの記録である。

 

著者は本書の中で、アフリカ人は生まれながらに速いとか、毎日徒歩で何キロも学校に歩いて通うから速いとか、ハングリー精神がとか、数多くの「誤解」を解いていく。

お気楽でもなく、どちらかと言えば真剣に人生を賭けてハイリスクな勝負に挑んでいるランナーたち。

 

最終的には個人の成績で決まる競技なのにも関わらず、とことんランニングチームへの貢献を求める文化。

高地の薄い空気の森や丘を走り、自然のエネルギーが自らの能力を支配するという独特の感覚。

 

都会のホビーランナーとは全く違う世界が広がっていて、とても魅力的である。

すぐにでも走り出し、一日中走っていたいと思ってしまう本である。

 

一人で走る人間は、健康のためにちょこちょこ走るホビーランナーであり、本当のランナーはチームで走る。

誰かと走るからこそ、自分の限界を越えられるのだ、という彼らの考え方はとても新鮮である。

 

個人プレーだからこそ、成長のために一歩先を行くライバルや、優れた指導者、共に支え合う仲間が必要。

なんて素敵なんだと思うのでありました。

 

ランニングもそうだけれど、キャリアもビジネスも一緒なのかなぁ、なんてね。

まぁ、ご参考ということで。