人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

種を蒔いたものが育つ喜び

Kindle日替りセールで推奨され、色々好みに合致するので読んでみる。

 

著者はプロレスラー。

お名前は聞いたことがあるが、詳しくは存じ上げない。

 

WWEでも活躍した著者が、世界中を旅して現地の人々と交流した紀行文である。

「旅して現地の人と交流」と言っても、別にただの観光旅行ではなくて、そこはプロレス関係。

 

試合だったり現地のレスラーへの指導・育成のイベントだったり。

WWEの影響は凄いらしく、世界中で真似から入るプロレス団体が立ち上がっており、10年以上前に参戦していた著者も大スターとして歓迎されるようだ。

 

で、見よう見まねの彼らに対して、著者がちゃんとした指導を行う。

テクニックに関して多くが語られるわけではないが、「目付け」の重要性を述べているあたり、本質的なことがわかっていらっしゃる、優れたレスラーなんだろうなと武術修行をする身としては感じた次第。

 

本書のハイライトは、かつて自主興行(?)を行ったことがあるフィリピンに再訪するところ。

その当時に関わった人々がプロレス団体を立ち上げているので、また指導に来てほしい、というきっかけである。

 

その旅のエピソードはなかなか感動的で、著者自身の喜びがストレートに伝わってくる。

かつて種を蒔いたものが、知らぬうちに育っているという喜び。

 

実は小生も、だいぶん前に関わった新規事業の案件が大きく花開いたと最近聞いて、とても嬉しくなっていたところ。

こんなのは、だいぶんオジサンになったから経験できる喜びのようにも思う。

 

こういう経験、歳をとるのも悪くないと感じるね。

はい、今日は小生の45歳の誕生日。

 

皆様今後ともよろしくお願い申し上げます。

まぁ、ご参考ということで。

 

当たり前のレベル

Kindle日替りセールで紹介され、レビューはそれなりだったのだが、なんだかとても気になり試し読みして買った一冊を読む。

 

社会人1年目でもなければ医療関係者でもないのだけれど、仕事に向き合い続ける中で、新しい環境に晒されることはよくあるし、そこで上手くやるコツは抑えておいて良いはず。

娘が大きくなった時に良いアドバイスが出来たらな、若い部下に良いアドバイスが出来たらな、そんなことを考えたのである。

 

本書にあることは至極真っ当。

無茶をせずとも、真面目に、真剣に仕事に取り組み、職場で愛される新人になるポイントを、著者の経験も交えながらわかりやすく(それこそ医療関係者じゃなくても)説明している。

 

それにしても、看護師さんは偉いなぁと感心する。

本書読者のような、真面目な看護師ばかりではないだろうけれども、職場を離れても真剣にスキルアップに取り組み、現場でももちろん努力をし、仕事にプライドを持って続けていく。

 

新卒で銀行に入った時、終業後(だったと思う)に職場で行われるロールプレイングなどの研修を見て、「あぁ、100年も続く大企業っていうのは、こんなに凄いんだな」と感心した記憶がある。

職場内のメンバー同士で研鑽する習慣が、もちろん会社が「やれ」と言っているからなんだけれども、それでも「やるのが当たり前」という風に全ての社員が理解し、定着していることに感心したのである。

 

その後、色々な会社を転々としたけれど、業務時間を終えても、仕事に真剣に取り組む姿勢は、なかなか見る機会がなくなった感じがする。

本書を読んで、そんな昔話を思い出した次第。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

心の持ちよう

先日のドラッカースクールの本に感銘を受けたので、関連した本書を購入。

 

「マネジメントにはまずセルフマネジメントから」ということで、それに特化した本。

洋書の邦訳ではなく、日本人読者に向けて書かれた本で、著者が日本人相手にコーチングをした豊富な経験も織り込まれており、日本人のやりそうなパターンとか、わかりやすい内容、構成になっている。

 

方法論にあまり特別なものは多くないと思う。

客観視するとか、書き出してみるとか、キャリアコーチングのようでもあるし、アンガーマネジメントのようでもあるし。

 

ただ、本書全体を通じて、「よくあろう」とちゃんと取り組むことの大事さ、みたいなことを感じる。

こういうのって、アジア的な考え方のような気がするけれど、トヨタ生産方式がバッチリ研究されて普通に学ばれているように、世界中で広く学ばれ、逆輸入されていくのかもしれない。

 

本書の中に「アプリシエーションリスト」というワークがあって、それはちょっとやってみようと思った。

一日十個、感謝したい人や事柄を書き出し、それを三十日続けて三百個にするらしい。

 

それは確かに、積極的に感謝の気持ちを持つようにしないと到達できないだろうなと。

多分、そういう心の持ちようを磨いていくんでしょう。

 

修行ですな。

まぁ、ご参考ということで。

人は強みによって雇われる

何の気なしにKindle日替りセールで本書を買う。

 

仕事上の課題感、「俺ってマネジメントできてるんだっけ?」という解消できない問いの答えに近づきたいという思いもあり、拝読。

ちなみにレビューも結構高いのである。

 

内容はタイトルの通りではあるのだが、真面目に考えさせられる提言が多く、はたと考えさせられる。

マネジメントの立場にある人間は、まずセルフマネジメントから、とかね(苦笑)。

 

一番心に残ったのは「人は強みによって雇われるのであって、弱みではない」という一文。

前段だけなら「そりゃそうだろう」なのに、わざわざ「弱みではない」と付けているのは何故か。

 

強みを評価されて入社したのは確かなのだが、我々はその人の弱みばかりに注目し、「ここができていない」「あの辺がまだまだ」と欠けているピースを埋めようとする。

そうではない、雇われた理由である強みをうまく組み合わせ、組織の目標を達成するのがマネジメントだろ、と言っているのである。

 

こんな記載もある。

満員電車に乗り合わせた人たちは「組織」ではない。

 

しかしそこで誰かが突然倒れたとすると、その人を介助するという「共通の目的・目標」が生まれ、それぞれの「出来ること・得意なことを活かした役割分担」が行われ、連携するための「コミュニケーション」が発生する。

これが組織なのに、あなたの組織はただの満員電車になっていないか、と。

 

怖い、怖すぎる。

そんなことになっていたら…。

 

いやー勉強勉強。

まぁ、ご参考ということで。

毎日走ることは修行である

ランニングネタで恐縮だが、こんな本を読む。

 

Amazonのレビューが非常に高かったので、前から気になっていたのである。

著者の弘山氏は筑波大学の監督。

 

「あれ、奥さんがマラソンでオリンピック出た人じゃなかったっけ?」とすぐに出てくるスポーツ好きなカミさんが凄いのだが、その通り。

本書の最大のわかりやすさは、最も短く高速の長距離走である1,500メートル走のタイムを縮めるためのトレーニングと、速いスピードを出来る限り持続させる持久力トレーニングをそれぞれ分けて提示し、組み合わせて見せていることだろう。

 

おそらく最も効率的に、正しいランニングのトレーニング方が記載されていると思う。

スピードを鍛えるためのメニューの中に長い登り坂を走るとか、アップダウンのある道をハイペースで、とか色々あるんだが、「1,000メートルの登り坂なんてねぇよ」と関東平野に住む小生は思ったりするくらいで、基本は実行可能だと思う。

 

ちなみに、前半にフォームのことがいろいろ書いてあるのだが、読んで実行できる人はまず居ないだろう。

一秒間に三回以上行われる接地〜蹴り出しを意識してコントロール出来るわけがない(笑)。

 

フォームに関しては、ピッチと全身を使う、くらいしか意識はできないので、まあ毎日走って障害が出なければ、正しいフォームで走れているということなんだと理解している。

「毎日走って」と書いたが、ここのところ毎日走っていて、自分でも頭が悪いなと思っているのだが、自分だけかと思って検索してみると、毎日10キロ走ってます、みたいな人は結構存在する。

 

本書のメニューを見ても、毎日走る内容で構成はされていない。

世界ナンバーワンのキプチョゲの最新メニューを見ても週に1日は休むようだ。

 

https://note.com/sushiman_runtrip/n/na33ea481b704

※「現在36歳のキプチョゲが実際には40歳以上の年齢である、という話は今では有名である」って何?!

 

練習の効率上は意味がないと断言しても良いのに、何故走るのか?

これはもう、毎日走るという業、修行なんだな、感覚としては。

 

朝イチで走ることで、身も心も清めているというか。

身体に悪いと言われても、やめないんだろうなぁ。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

けなしたら台無し

人を誉めるのは難しい。

ちょっと前のエントリーでも書いたけど、やっぱり本人が誉めて欲しいところ、意識して頑張っているところに気づいて誉めてあげないと、嬉しくないからね。

 

誉めることによって嬉しくなり、それによってもっと頑張って成長するようになるとか、こちらが好感を持たれて何らかの見返りを得られるとか、最終目標はどちらでも良いとしても、やっぱり嬉しがらせなければならない。

そういう、相手が認めて欲しいところというのは、普段から相手を観察し、色々な切り口で会話していかないと見えてこない。

 

同僚であれば、どんなタイプの仕事に勢い良く取り組んでいるのか、どんな時に笑っているのか、そんなことにヒントを見出し、そこら辺を活かせる仕事にまた取り組んでもらう。

「いやいや、そんなアサインばかりやってたら、いつまでも得意なことばかりで苦手の克服ができるようにならないじゃないか」という声が聞こえてきそうである。

 

が、苦手な部分を振り返るのは半年に一回くらいで良いんじゃないか。

結局本人が本気で克服する気がなければ苦手は治らないので、日頃からほじくり返すものではないと思う。

 

それに、一生懸命相手の良いところを観察し、誉めてやる気を出してもらって、得意を生かすアサインメントをしていても、「でも、ここが出来てないよね」と言ってしまったら、一気にモチベーションは地を這うことになる。

「あぁ、やっぱり自分は出来ていないんだなぁ」と思ったら、得意分野の「尖り」も削れてしまうと考えている。

 

子供はね、社会に出るために、出来ていないことを克服しなきゃいけないところはあると思うし、それを最低限のラインででも仕上げておくのは親の責任だと思う。

それで、出来てないことを叱りすぎて日々反省なんだけれども。

 

でもね、社会人は、一応学校を卒業して、入社試験も通ってきた人たちなんだから、一人前として信頼してあげたいし、逆に「まだまだです」というのは謙虚に見せた「甘え」でもある。

なので、もはや出来ないことをほじくり返すよりは、とことん得意なところを活かしていく方が、お互いのためだと思うんだよね。

 

まぁ、ご参考ということで。

「なんか食わせろ」

ザ・ハイロウズの曲に「ミサイルマン」というものがあって、その中に「なんか食わせろ なんか食わせろ そんなもんじゃねえ」という印象的なフレーズがある。

https://j-lyric.net/artist/a00f6d1/l010f16.html

 

初めて耳にした時に、「あぁ、なんかビジネスの、今の人間の本質だなぁ」と感じた記憶がある。

大袈裟?(笑)。

 

何か食べたい。

でも何が食べたいのかはっきりしているわけではない。

 

「ラーメン?」「違う」「カレー?」「違う」「トンカツ?」「あー、違う、そんなもんじゃねえ」みたいな。

飢えるような時代じゃないし、みんな美味いものをそれなりに食べてきているから、「食べられればなんでも良い」訳じゃない。

 

でも腹は減っているからちょっとイライラしているし、何が食べたいのか自分でもよくわかってないからモヤモヤするし、選択肢が沢山あって途方に暮れている。

変な提案をされれば「そんなもんじゃねえ」と思わず叫んでしまうくらい、フラストレーションが溜まっているのが現代のユーザーニーズ。

 

そこに「おー!それそれ、それ食べたかったのよ!」と言わせる提案が出来るかどうかが現代のビジネス。

これがね、出来るようになるのは時間がかかるのですよ。

 

他社と比べてもそれなりな特徴や売りを磨き上げつつ、相手が何を求めているのか、手を替え品を替え、季節や時間帯や相手のコンディションを踏まえつつ色々なパターンを試しながら掴んでいき、それなりのものをいいタイミングで持って行けるようにする。

お客様向かいでもそうだし、上司に対しても同じ。

 

何食べたいんだろうなぁと常に考え、その時のベストの提案を持ち込み、「そんなもんじゃねえ」と言われながら再提案。

その繰り返し。

 

頑張っていきましょう。

まぁ、ご参考ということで。