人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

もう少し深い論考を

積読在庫消化。

 

「呪い」というのは、あの有名な「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加した歌手たちが、その後ヒットに恵まれずマイナーになっていく傾向が多かったことを指している。

が、そもそもは差別的扱いを受けてきた黒人アーティストたちが、マイケル・ジャクソンをはじめ大いに評価を受けるようになり、人種の垣根を超えた「ウィ・アー・ザ・ワールド」という曲を、黒人主導でプロデュースするに至ったという、時代の転換点が存在したのだ、というのが本筋。

 

そこの文化論的、社会学的論考として、とても奥行きが深そうな論点なのに、「呪い」などという下世話なタイトルにし、あたかも悪いジンクスかのような整理にしてしまったのがもったいない。

もちろん簡単には論証できないだろうし、そんな硬い本を読む人も多くないのだろうけれど、これだけ調べたのであれば、もう少し時代の変化を掘り下げる方向に進めても良かったんじゃないか。

 

ほんともったいない。

まぁ、ご参考ということで。