本屋の店頭で見かけ(夏の文庫フェアはどうして買ってしまうのだろう?)、鳥好きの娘にも読めるかと思って買ってみた。
タイトルからして人を食っているのだが、全編脱線しっぱなしの鳥類学者によるエッセイ。
年代が小生より少し上で、オタク気質全開なので、笑いを取るために援用されるネタの数々がアラフィフじゃないとわからないため、娘には少々難がある本だった(でも渡したけど)。
年代がマッチして、雑学の類に多少の興味があって、なんかちょっと軽い読み物でも、という人にはベストマッチな一冊である。
もちろん鳥類学者ならではの「へー」という知識も得られるのだが、それは全体の2割か3割といったら大袈裟だろうか。
なんせ、構えることなく気軽に読めば良い、という本である。
冒頭に「トモダチヒャクニンデキルカナ」というタイトルとともに前書きがあるのだが、日本に鳥類学者というのは1,200人しか居ないらしい。
10万人に1人という芸能人より希少な存在なのだそうだが、「好きを仕事にする」というテーマにまつわる話の根本が、希少なポジションを狙う話だから賛成反対が激しい話になるのだと、そんなことを考えたりする。
ミュージシャンになりたい、って子供が言い出したとして、仕事にしている人、何人いるんでしたっけ、という話だよね。
で、本書にも出てくるが、鳥類学者の仕事というのも、朝から晩まで画像解析とか、検体の整理(屍体解剖も含め)を三日三晩やり続けるとか、「そんなこと毎日やりたい?」というもの。
そのへんが、好きを仕事にする難しさなんだよなぁと。
やっぱり娘に渡して正解だったかしら?
まぁ、ご参考ということで。