ずっと積読在庫だったのだが、この春に娘と妻が読破したというので、話題に取り残されないよう(笑)読む。
結構長かった。
こんな長編を読破するのは吉川英治の宮本武蔵以来だろうか(いつだそれ?)。
著者は日本を代表すると言って良いファンタジー小説の書き手なので、あらすじの説明も論評も無粋のような気がする。
そりゃアマゾンのレビューも星4つ半だよね、という物語。
とはいえ、顔に似合わず根がラテン系の小生からすると、こんなに悲壮感を背負って人生の選択をすることはないんじゃないの、という気はしたものの、それによって物語のリアリティが失われているとかそういうものではなく、単に価値観の問題でしかないと思う。
大きな力の存在と、たまたまそれをコントロールする方法を会得した主人公。
その力を利用したい権力、守りたい権力、いずれも悪人ではなく、それぞれの価値観の中で動いていて、抗いがたい大きな流れの果てに、ある結末を迎える。
「大きな力」を何と読むか、それは人それぞれだし、その果ての結末をどう受け止めるかも人それぞれだと思う。
その抗いがたい大きな流れの中で、どんな生き様を示すのが良いのか、そこも考えどころだろう。
普通に面白かった、楽しかったでも良いが、登場人物の生き様を味わいながら、はて自分なら…という鑑賞に耐える作品なのでした。
まぁ、ご参考ということで。