人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

これはすごい本

 

去年か一昨年の娘の夏休み課題図書。

 

川上先生の本はもう何冊読んだのか、娘に釣られて鳥に詳しくなっているのである。

で、この本は鳥がメインではなくて、鳥類研究の一環で挑んだ南硫黄島調査の話。

 

相変わらず悪ふざけな文章と、パラパラマンガまでついた装丁なんだが、中身はすごいと思った。

南硫黄島というのは、人類が住んだことがない絶海の孤島。

 

つまり、人間の手が入っていないありのままの自然とは、どういう状態なのかを調査する意義があるのである。

それはそれで「へー」なのだが、思ったよりあっさりと次の章へ進む。

 

次の章は北硫黄島調査。

ここは100年ちょっと前に人間が入植し、60年前に無人島になっている。

 

一見、緑あふれた豊かな大自然という趣だが、実はそれは人間とネズミなどの周辺動物が住み着いた結果であって、本来の「自然」とは南硫黄島のような海鳥だらけの荒涼としたものであることが明らかにされる。

これがさらに考えさせられる。

 

そして終章、第一章から10年を経た南硫黄島の再調査。

たかが10年でも、大きな変化が見える南硫黄島の姿。

 

大自然の時間軸なら、10年なんて何も変わらないのかとおもいきや、である。

また改めて調査すると、新たな発見もあったりする。

 

そう、この本は無人島の比較と、時間軸を変えた調査という類を見ないものなのである。

なかなかこういう本は読んだことがない。

 

それをこんなライトな一般向けの書籍でねぇ。

いや川上先生凄いわ。

 

まぁ、ご参考ということで。