積読在庫消化。
いやー、長い。
柳澤健氏の著作は圧が凄いのに、しかも長いのだが面白い。
元々は雑誌連載で、二十数回分を一冊にまとめたとのことだから、そりゃ長い。
今も何かと話題を呼ぶ文春の成り立ち、それは菊池寛が設立した頃の話から、月刊・週刊、オンラインに至るまで、数多くのスクープと、それをもたらした編集者・記者達の群像が、これでもかと描かれていく。
ちょっとした社会史でもあり、編集長というリーダーが如何に生まれ承継していくかというリーダーシップの物語でもあったりする。
また雑誌の栄枯盛衰は、ビジネスモデルの歴史だったり。
2010年台の週刊文春編集部は、ここ10年の雑誌メディアの衰退に対して、スクープへの回帰という形で腰を据えつつ、オンラインにも着手することになる。
ある意味事業の本質を「スクープ」と捉え、本当に大変だけれどもそこから逃げずに取り組み、流通させる媒体は紙でもネットでも最適な形で、というスタンスで臨めたことが事業を延命させた。
衰退産業こそ本業への集中、というのは小生が見てきた事業再生でも一つのパターン、いや王道と言っても良いかもしれない。
手間暇かけて本質を追求する。
これに勝る差別化はないんだよなぁ。
あー面白かった。
まぁ、ご参考ということで。