人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

イノベーションは起こせるか

もういつからそんなことが課題とされるようになったのか、記憶が定かではないが、企業におけるイノベーションが問われている。

新規事業のコンサルティングなんていうのも、そういう流れの中で行ってきているわけで。

 

たまたまこんな本を読む。

 

ファナックといえば、あの衝撃的な黄色いジャケットなのだが、それはともかく世界的な優良企業なのである。

はて、ファナックとあのインテルとな?ということで読み出したのだが、本書はこの二つの企業がイノベーションを起こしていく中で、MPUに注力していくインテルと、他社に先駆けてMPUを採用して競争力を上げていくファナックの歴史が交錯していく姿が描かれていく。

 

産業史であり、「イノベーションのジレンマ」の現実例であり、知の探索と深化であるところの「両利きの経営」であり、リーダーシップ論だったりする。

そのあたりに興味がある人であれば、割とスッと落ちる、経営論的な本であった。

 

既存事業と切り離された開発環境だったり、優れた見識を持つ現場リーダーだったり、長期視点での開発環境だったりと、色々イノベーションの要素はあるわけだが、現実にはなかなか難しいと改めて感じる。

アメリカの工作機械業界の衰退も紐解かれているのだが、既定路線を深掘りしていたらぶっ壊されてしまったわけで、一生懸命なだけじゃダメよ、ということなのである。

 

どの会社も、別の探索が結果的に功を奏し、イノベーションに成功しているのだが、今の競争原理で勝ちきれないプレイヤーが結果的に生き延びた「生存者バイアス」にも見えるし。

なんとも、もう少し考えてみたく、「両利きの経営」については、今しばらく掘ってみたい。

 

まぁ、ご参考ということで。