人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

見切り千両

こんな本を読む。

 

小生、就職活動をするときに、なんとなく「大番頭」「参謀」みたいな社会人を目指そうかなぁと思って、銀行に入ったのである。

そんなわけだからホンダの大番頭の藤沢氏のことは知っているし、もう一つの著作「松明は自分の手で」も持っている。

 

本書を読んで「おぉ、そうなんだ」と思ったのは、本田宗一郎氏と出会って25年で引退していること。

長いといえば長いけれど、そろそろ社会人25年が見えてくる歳になると、決してそうとも思わない。

 

ツーカー」でも25年が限界と藤沢氏は述べており、なるほどそんなもんなんだなぁと感じた次第。

藤沢氏も四十手前という、それなりに経験を積んだ年齢でホンダに入社していることが影響しているのかもしれないが、本田宗一郎という人と自身の才能をしっかり見極めつつ、早々に「脱創業者」の営みに取り組んでいることが、この人の凄さなんだと思う。

 

万物は流転するという諦念も含めた世界観と、「松明は自分の手で」に代表されるパイオニア精神に、戦争を経験した世代の根性を感じるのは小生だけだろうか。

その根性を持って、事業を創りつつ、同じくらいの熱量で組織作りにも心血を注ぐ。

 

それで、後継が育っているからパシッと辞められる。

相場の世界では「見切り千両」なんていう格言があるが、見切りに千両の価値があるなら、見切っても大丈夫な体制を作っておくことは万両の価値があるなと思う。

 

まぁ、ご参考ということで。