人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

歴史の読み方

ミャンマーの異文化に触れたので、こんな本も読む。

 

Kindle日替りセールでレビューも高かったのでポチる。

ロシア在住28年のアナリストという肩書きの人が、どういうことをして食っているのか、大変気になるところではある。

 

国際関係ネタ×扶桑社という組み合わせに、かなり右寄りの内容を想定しつつ拝読。

地政学とはなんぞ」という概略の説明から、日本とイギリス、中国とドイツの地政学的類似性を語り、その近代史と現在の状況分析、展望まで、という内容。

 

これは面白かった。

特に「地政学とはなんぞ」は、個人的に知っているようで知らなかったので「へー」の連続。

 

一つの視座を持つことで、こんな風に歴史や事件、各国の戦略的判断が紐解けるのかと、非常に爽快である。

代数・幾何のテストで綺麗に補助線が引けた時のような感じである。

 

日本の近代史においては、色々な分析や意見があって、百家争鳴の感があるけれども、「地政学的にはこう分析し、このように評価する、こうすべきであった」というのをクリアに説明できており、その是非は別途評価するとしても論旨の明解さは好印象を持った。

こんな風に切り口を持っているからこそ、歴史を「読む」ことができるんだなと感じる。

 

もちろん前提として、ある程度の「年表」は抑えておく必要はあるけれども、当時の人間が何を考え、どう動いたか、その時周辺諸国はどんなリアクションを取ったのか、そんなことを理解し、伝えていくことが歴史教育なのかなと思う。

娘にどうやって伝えていったものか。

 

まぁ、ご参考ということで。