人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「お金の流れで読む日本の歴史」 読了 〜経済戦争から始まるリアルな戦争〜

リンクを貼る。 

 

先日の「近代権力史」に続けて、日本の歴史を読んでしまう。

それくらい面白かったので、多分この著者のこのテーマは一気読みする流れ。

 

今回は日本の歴史がテーマ。

古代史から近代史まで、一気通貫に進む。

 

個人的に知らなかったのだが、古代から海外(国という概念が無い時代なのでアレだが)との貿易取引、人の往来があり、結果として金銭的なやり取りも多数あった、というところに「へー」。

その後の権力闘争は、徴税権を巡る争いだったり、交易の利権を支配することによって動いていくと解説されている。

 

歴史の授業では語られない切り口ながら、大変説得力がある。

しかし、考えさせられるのは、これまで幾度となく繰り返されてきた、答えのない人類の課題。

 

商業の発達するところに権力と文化が発生するも、その先の経済競争は暴力を伴う戦争へと発展する。

努力が報われる世界は社会的インセンティブとして有効だが、格差の拡大と身分の固定化に繋がりやすく、社会不安の増大を招く。

 

著者も意図してそのように構成したのかもしれないが、それを割り引いてもなお考えさせられるのである。

次を読むのが楽しみなので、この辺で。

 

まぁ、ご参考ということで。