こんな本を読む。
はじめに言ってしまうと凄く良い本である。
明快で普遍的、使いやすく読みやすいビジネス書。
流石あのリクルートで多くの人が教えを乞うたというメソッドである。
KPIの大元にはKGI、つまり何をゴールとするのかの定義がある。
実はここがまず決まっていないことが多い。
企業でも、売上を追うのか利益を追うのか曖昧な会社は沢山ある。
新規事業でもプロジェクトでも「成功」の定義をあやふやにしているケースは多い。
そこをまず関係者で合意する。
次はCSF、Critical Success Factor である。
何がゴールに到達するポイントなのか、この本質とも言える部分を見出す。
この本質を数値で管理するのがKPI。
著者はKPIは一つでなければならないと説く。
他にも変数と定数の考え方とか、複数の結果に影響する要素の考え方とか、KPIが黄色信号の時の動き方をあらかじめ決めておくとか、学びがいっぱい。
そういえば、と思い出す。
エージェント業をやっていたときに、あるファンドの投資先の幹部人材を探していた時のこと。
経営企画のポジションだったのだが、ファンド側が求める人物像を上手く言語化出来ない。
「なんというか、地頭は良くて欲しいんですけど、別に計数の管理をして欲しいわけでもなくて、もっと事業の本質をこう見極めて動かしていくというか…」
「それって、KPIの管理をしてほしいということじゃなくて、KPIを発見出来る様な人が欲しいって感じですかね?」
「そうそう!それそれ!そんな人」
ま、結局そんな人材を紹介することはできなかったのだが(苦笑)、本書で解説するメソッドはまさにKPIを発見するためのものだと感じた。
これが出来ると仕事には困りませんよ。
まぁ、ご参考ということで。