人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

人が集まり育つ仕組みを持たなければ、企業は成長しない

昨日のエントリは、優秀な人材の競争優位性みたいな言葉で締めてしまったが、これからの組織は、ますます優秀な人材の確保が、経営の鍵になっていくのだと思う。

まずもって明らかなのが、マクロ的な人材不足である。

 

そして、既存事業が衰退衰退する中では、新しい価値を生み出すことができる人材が必要になると思うのだが、そういう人材は、計画的に育てるのが難しく、ポテンシャルのある人材を確保し、トライアンドエラーで「育っていく」という育成の方向になるのでは、という仮説を持っている。

 

欧米のプロ経営者みたいなものに近いのかもしれないが、育成の考え方が、スキミングというか、多産多死というか、モデレートな表現が思いつかないのだが、少数を丁寧に育成するというより、常に一定のボリュームで人材を受け入れつつ、成果を出してお互いにフィット感があった人間だけが残っていき、そうではない多くの人材はまた転職していく格好になっていくのではないか。

既存のオペレーションを軸にした会社であれば、「何をもって優秀というか」を定義することは出来るだろうし、「どうやって優秀な人材を育成するか」もデザイン出来ると思う。

 

しかし、新しい価値を生み出すことが中心になる組織では、その組織での優秀さは定義し難いし、出来たとしても一般的な優秀さに収斂してしまう。

であれば結局、たくさん受け入れて、たくさん出ていく、という組織にシフトせざるを得ないのではなかろうか。

 

そうなると、採用に関する考え方も、育成の取り組み方も違ってくるはずで、採用は短期集中ではなく、放っておいても外から人が集まり続ける仕組みが必要だし、育成も教育というよりは、本人の裁量が発揮できる形で実務を経験させ、その結果を持って育成とするようなイメージだろうか(何を学んだかを追うのではなく、仕事の成果から育ったか努力を要するのか判断するというような、プロスポーツ選手のイメージである)。

一部ブランド企業は別として、殆どの会社にとって、いかに人を惹きつけられ、機会を提供できるか、その仕組みを構築することが、早急に求められているのではなかろうか。

 

まぁ、ご参考ということで。