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DREAM WORKPLACE(ドリーム・ワークプレイス)――だれもが「最高の自分」になれる組織をつくる
- 作者: ロブゴーフィー,ガレスジョーンズ,森由美子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2016/12/15
- メディア: 単行本
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Kindleのデイリーセールだったかで目にし、レビューもそれなりだったのでポチッた一冊。
組織論となると一応、目を通しておきたいと思った次第。
グローバルカンパニーやローカルなサービス業の事例などを引き合いに出しつつ、個人の能力を生かす組織とはどのようなものか、そのあり方をまとめた一冊である。
ネットフリックスであるとか、組織論的に有名な事例も出てくるが、結論としてはデジタルな管理(KPIとか四半期ごとの業績管理とか)ではなく、ビジョンやアイデンティティの実現といった、アナログな組織運営の方が、個人のモチベーションも高く、結果的に長期的な業績向上にも寄与するのだ、という大意。
結論だけ拾ってしまえば、あぁやっぱりそうなんだ、というような勧善懲悪ストーリーではある。
おそらく多くの人に、共感をもって受け入れられる主張でもあるはずだ。
しかし、現実的に引っかかるのが、ではデジタルな管理を捨てられるのか、ということだろう。
まぁ捨てないにしても、アナログな「あり方」を、誰でもわかりやすく管理できるデジタルなそれより優位に置くことが、実際にできるのか、である。
残念ながら本書では、そこまでシフトできるだけの、説得力ある回答は用意されていない。
思うに、デジタルとアナログのバランスをうまくとろうとした(アナログの優位を保とうとした)のが、GEの9ブロックではなかったか。
参照。
初めて9ブロックを見た時に、Valuesの評価を定量的な業績評価と同等に置く「振り切り」に感心したものである。
さらにGE社では、その9ブロックも廃止し、新たな評価手法にチャレンジしているようだが。
レイティングもやめちゃったんだね…。
事業環境が変われば、組織のあり方も変わるけれども、個人の創造性が業績にインパクトを持つ、という認識が広まった昨今では、本書で唱えられたような考え方は、今後もどんどん受け入れられていくのだろう。
優秀な人材を惹きつけられるかが、今後の競争優位性に最も影響があるわけだし。
まぁ、ご参考ということで。