こんな本を読む。
先日の「育休世代のジレンマ」を受けて、専門家の本を深掘りしようという趣旨。
濱口先生は昨今話題の「ジョブ型・メンバーシップ型」という雇用類型の名付け親であり、小生はブログも毎日チェックしている。
それにしても、濱口先生の本と海老原嗣生さんの本は、もっと広く読まれるべきだといつも思う。
日本の会社員が当たり前だと思っていることが、世界的には全くマイナーで、時に出鱈目もいいところ、というのがよくわかる。
本書は女性雇用を切り口にしているけれども、日本の雇用実態とその特殊性を解いたもので、目から鱗の話が多数ある。
能力主義・能力評価なんていう言葉があるけれど、海外で言う能力評価は、定義されたジョブを遂行する能力があるかどうかの評価。
ジョブが定義されているから、(ある程度)測定可能だからこそ評価ができる。
極めて論理的であるし、採用基準も明確である。
でも日本のそれは「ドラゴンボール」の戦闘力みたいなもの。
その組織における「できる感じ」がどれくらいあるかという雰囲気に近い。
なので、現実には測定できないものを一生懸命測ろうとするので、不毛な人事査定の議論にパワーを使われる。
まぁどんな人事も不満は残るし、その「できる感じ」の雰囲気評価が長い目で見ると大体合ってたりするから余計ややこしいんだけどね。
人事労務系の話は、経済団体や学者、メディアが都合よく曲解してきた歴史があるので、みんなが当たり前だと思っていることが、実は全然違うことがあるので、ほんと勉強しておこうと思います。
まぁ、ご参考ということで。