人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

したい、されたくない

新規事業開発のコンサルティングにあたって、尊敬する先輩の一言で「ユーザーを囲い込みたい事業者はいるが、事業者に囲い込まれたいユーザーはいない」というものがある。

けだし名言。

 

「プラットフォームビジネスでユーザーを囲い込むのだ!」などと仰る偉い人、気持ちはわかるが囲い込まれたいユーザーはどんな人なのか、ちゃんと考えたこと、ありますか?

「それを考えるのが担当者の仕事だろ!」というのだとすれば、その当事者意識の薄さが新規事業失敗の要因だと思います。

 

美味しいアイデアが転がってくるのを口を開けて待っているようでは成功は覚束ない。

新規事業は、全社で必死になって考え抜き努力するものであって、関係者に(それも権力のある人に)当事者意識がなければ、上手くいくはずがないです。

 

さて、前職の先輩が書かれていたコラムで、キャリア相談にまつわるものがあった。

60歳を目前にしてキャリア相談に来た方々に、では何がしたいのかと問うと、「後進の育成」と答えるとのこと(気持ちは小生もわかる)。

 

が、先輩はコラムで疑問を呈する。

あなたが30代40代の時に、ベテランが丁寧に教えてくれたり、教えてもらえたらよかったなんて思ったことがありますか、と。

 

そりゃそうだ。

小生も先輩から色々盗もうとはしているけれど、教わろうとは思っていない。

 

参考にはするけれど、現在の、自分の、この状況に活かせるかどうかはわからない。

わからない以上、先輩に責任をなすり付けられるわけでなく、結局は自己責任だから、参考にしかできないという方が正しい。

 

その「参考意見」にポストと給与を与えるかとなると、それは余程の「参考意見」と、ゆとりのある企業の組み合わせに限られるだろう。

「こんなビジネスがやりたい」「何がしたい」というのは全ての出発点。

 

その思いがなければ始まらないけれど、それをそのまま受け入れるとは誰も言っていない。

リクルートではWill Can Mustと称していたが、あくまでCanとMustに引きずられたWill。

 

それがなんなのか、よくよく吟味したいところ。

まぁ、ご参考ということで。