人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する」 読了 〜日本人とドイツ人〜

リンクはこちら。

 

本書はNHKの番組がベースにあり、その書籍化というか、スピンアウトした内容。

「新実在論」を提唱する気鋭の哲学者、マルクス・ガブリエル氏の来日に随伴し、彼が見聞きしたものから何を考えたのか、新実在論とは何かについての語り起こしのドキュメント、という感じである。

 

非常に興味深いと感じたのは、ロボット研究者である石黒浩氏との対話。

ロボットのあり方についての対話を通じて、彼我の差異、日本人とドイツ人の差異が際立っていく様は、なかなかにエキサイティングであった。

 

全体を通じ、社会や世界のあり方について考えさせられるものの、既に我々はその社会に絡めとられているので、なかなか行動の変化にまで結びつけることが難しい。

まあ哲学自体が抽象度の高い学問なので、致し方ないといえば致し方ないのだが。

 

読者がどう受け止め(「あー面白かった」ではなく)、どのような変化を起こしていくかを問われる一冊ではなかろうか。

まぁ、ご参考ということで。