人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「武器になる哲学」 読了

リンクを貼る。

 

山口氏の著作は一通り読み切るまで追いかけると思う。

先日読了した、「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」

 が、ビジネスとアートの接点だとすれば、本書はビジネスと哲学の接点になる。

 

完全に哲学に振り切っているわけではなく、現代思想や心理学も入ってくるが、そこはそれ、哲学は広範な領域をカバーするので、やむを得ないと著者も言っている。

また、哲学から何を学ぶか、という点については、単なる知識としての学びだけではなく、思考プロセスの学びも重要であると指摘していて、例えば古代ギリシア哲学などは、現代人の感覚からはナンセンスの極みのような結論を提示しているけれども、当時の時代背景を踏まえて、どのような経緯で結論に至ったのかを考えることは、大いに意味があるとしているし、小生も全くその通りだと思う。

 

本書の特徴でもあり、素晴らしいと感じる点は、普段ビジネスの世界にどっぷり浸かって、悪戦苦闘しているけれども、ビジネスや社会の複雑な問いに対しては、先人たちが何百年も前に必死で取り組み、一定の結論が出ているのだな、というのを教えてくれる点である。

小生も過去に何冊も哲学関連書籍は読んだが、そのように腹落ちした本はなかったので、これは山口氏のウデによるものと言えよう。

 

一定の結論が出ているのであれば、まさにそれは「武器」として使うだけ。

再読を重ねながら、自身の血肉にしていきたいものである。

 

まぁ、ご参考ということで。