人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

進化論と新規事業

今朝、本を読んでいて、ふと考えたことを。

ダーウィンの進化論は皆さんご存知かと思う。

 

神様が今の姿を作られたのではなく、環境に適した種が生き残った、というアレである。

小生、中途半端な理解をしていたことがあるのだが、それはそれぞれの種が、変化する環境に「合わせて」生き残るかのようなイメージを、どうしても持っていたところがあったのだ。

 

もちろんそれは違っていて、新しい個体群が生まれる度に、一定の多様性が担保され、変化する環境にそぐわない個体がみんな死んでいくだけ。

別に意志を持って「合わせて」いるわけではなく、とにかくバリエーションがある中で、たまたま生き残った種がいるだけということ。

 

昔の人は、生物の営みがあまりに完成されていて、誰かの意思があって「合わせられている」かのように感じたから、神様が今の姿を作られた、と理解したのだと思う。

今の姿から判断すると、どうしてもそういう風に考えてしまうから、進化論はあれだけ物議を醸し、それだけ偉大であった、ということだろう。

 

で、新規事業もこれに似ているところがあると思う。

成功した新規事業を見ていると、あたかも最初から神様が今の姿をお作りになったかのように見える。

 

でも実際は、そんなことはなくて、成長のプロセスで、複数の戦略・戦術・戦闘のバリエーションが生まれ、その時の環境に合わないものが死んでいっただけなのだ。

下手をすれば、何千何万という戦略・戦術・戦闘オプションの中で、生き残った一つだけを見ている可能性がある。

 

つまり、あらかじめ起き得る変化を予測して、最適なものを生み出すなどということは、無理なのではないか、ということ。

つまり、「これだ」と狙って成功させるのは、不可能に近いのではないか(ホワイトリスト方式 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88)。

 

むしろ「これ以外はなんでもやってみる」といった形しか、成功は覚束ないのでは(ブラックリスト方式 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88)とさえ思う。

もちろん、企業経営のリソースは有限だから、自ずと限界があることは十分承知の上で。

 

狙って新規事業を成功させるのは、それこそ「神のみ技」に挑む行いなのかもしれない。

それはそれでチャレンジングだけど、ね。

 

まぁ、ご参考ということで。