人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「人事こそ最強の経営戦略」 読了 〜小生もそう思っているのだが〜

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人事こそ最強の経営戦略

人事こそ最強の経営戦略

 

 

人事に携わる人というより、人材紹介とかヘッドハンティングに従事している人であれば、本書のタイトルは強く首肯するものなんじゃないだろうか(そんなことないか?)。

タイトル通り、経営「戦略」になっているかは別として(大きな「打ち手」であることは間違いないが)、本書では主に「日本企業がグローバル化を進めるには」という観点で、さまざまな解説や方法論が展開される。

 

各章毎に有名企業・組織の内部の方のインタビューが提示されており、それもまた興味深い。

全体のトーンとして、日本企業の人事を全否定するのではなく、良いところを活かしながら、如何にグローバル化に発展させるか、というものになっている。

 

日本や海外の人事制度をそれなりに調べている人にとっては、取り立てて目新しい内容はないかもしれない。

なので、本書のタイトルを見て、経営者とか経営企画系の人が手に取り、人事の有効性や奥行きを感じてもらえるのが、本書の狙い・書かれた意味なのではないか。

 

もちろん、人材領域に長く関わり、タイトル通りのことを真面目に信じている小生にとっても、理解者が増えることはとても嬉しいのだが。

門外漢の方が、さっくり読めて理解できる、良い本だと思う。

 

もちろん、人事や人材ビジネス関係者が、おさらいを兼ねて読むのも良いのでは。

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

鏡がなければ自分は見えない

同業他社を意外と知らない。

なので、他社と比較して自社がどんな評価を受けているかを、意外と知らない。

 

自分の仕事ぶりが、人と比べて良いのか悪いのかを知らない。

ましてや時代遅れかどうかなど、知る由も無い。

 

大方のビジネスパーソンというのは、そういうものである。

そこに甘んじて、独りよがりになっている人というのは、現実にはそう多くはないと思うが、自分の客観的なレベルがわからなくなって迷ってしまう人は、かなり多いと思う。

 

そういう方々からご相談を受けると、いつもお伝えしているのが、ブログタイトルの「鏡がなければ自分は見えない」というもの。

比較対象といってしまうと、ちょっと卑近な話のような気もするが、対象物なしに、ありのままの自分を評価できる人というのは、ほぼ存在しないので、結局は誰かをベンチマークし、その比較において始めて自分の姿が見えてくる。

 

ここでお勧めするベンチマークは、同業他社の人である。

名目は情報交換でも何でもいい、きっと向こうも情報を欲しがっているから、意外なほど積極的に会ってくれるはず。

 

同業他社の動向は、ライバルが何をやっているか、という観点だけでも、単純に勉強になる。

それだけでなく、もちろん本日のブログタイトル通り、自分が客観的にどの位置にいるかを教えてくれる。

 

場合によっては、転職先の確保に繋がるかもしれない(苦笑)。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」というではないか。

 

是非、同業他社他社との交流をお勧めしたい。

まぁ、ご参考ということで。

自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

タイトルは、結構有名なのだが、リクルート社が創業期に定めた社是である(後に取り下げられる)。

この社是が定まっていったプロセスは、こちらに詳しい。

 

dai19761110.hatenablog.com

ビジネス書としても相当に面白いのだが、江副氏がこのメッセージにどのような思いを込め、どのような組織を作ろうとしたのか、大変興味深いので是非ご一読あれ。

 

しかし、つくづく思うに、仕事というものの本質は、この言葉に集約されているのではないか。

誰かに指示されたことを効率よくこなすのは、「仕事」ではなく、「作業」だと思っている。

 

作業で生活している人は、特に気にする話ではないのだが、何らかの付加価値を世に問おうとしているビジネスパーソンであれば、自らの意思でチャンスを生み出し、その波にのることで、自分自身を成長させる努力は、絶対に必要だ。

逆に言えば、その努力ができない人は、「作業」をする人でしかない、ということ。

 

日々の仕事でも、その努力は問われるし、中長期的なキャリアの観点からも、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変える」努力は求められると思う。

月が変わったこのタイミングで、改めて肝に命じておきたい。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

「ネットワーク超入門講座」 読了 〜小生としてはこれがベスト〜

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ネットワーク超入門講座 第4版

ネットワーク超入門講座 第4版

 

 

ネットワーク関連のお勉強用の書籍をもう一冊。

「入門講座」を謳っているが、特にネットワーク関連の業務をエンジニアだったり、営業職として始める方に向けた書籍という感じで、概念の解説や学術的な内容というより、その業界で仕事を始めたら何を問われるか、という観点で書かれている印象。

 

そういう意味では、過去に読んだ本より、ビジネス視点では役に立つし、わかりやすい。

ここしばらく読んだ本は、どちらかというと概念の解説や学術的な内容というものだった(それでもまだ、わかりやすいけど)。

dai19761110.hatenablog.com

 

今日取り上げた「ネットワーク超入門」は、ビジネスの実務目線ゆえに、用語の解説は二の次という感じなので、そういう意味では「スラスラわかる〜」を読んでいたから、すっと頭に入ってきた部分がある面は否めない。

とはいえ、改めて本書の良さを述べると、ビジネス目線で語られているので、ディティールの部分で役立ちそうな要素が多々あること。

 

それから、これは本書の最大の特徴かもしれないが、ルーター、スイッチ、サーバーなど、メカを中心に説明が展開していくこと。

というのは、ネットワークというのは、ユーザーからすれば目に見えないものなので、どうしても抽象的な概念で説明がよくわからなくなりがちなところを、目に見える装置から解説しているので、素直に頭に入ってくるし、特に男の子はメカの解説であれば、比較的抵抗なく受け入れられると思うのだ。

 

そういった、実務者目線を徹底していること、目に見えるメカから解説していることが、本書が「なるほどねー」と唸らせる要因なのだと思う。

まさに、この領域にタッチすることになった人には、強くお勧めしたい一冊である。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

仲良くする/仲良くなる

小生が会社員としてネガティブな評価を受ける要素の一つを披露してしまおう。

それは、「組織へのロイヤルティが高くない」と言われることだ。

 

だからこんなに転職してしまうのか、一つのところに居ないから高まりようがないのか、というのは、どちらもあると思うのだが、小生のスタンスに起因するところはある。

小生のスタンスというのは、「仲良くしようとしない」というものである。

 

もちろん新たな組織に入るとしたら、自ら胸襟を開き、組織構成員の皆さんの好き嫌いや興味関心をリサーチし、人間関係を作る努力は行う。

むしろ徹底的に行う方だと思うが、それは早期に仕事での成果を実現したいからだ。

 

ドライに聞こえるかもしれないが、仕事というのは結果を出してナンボ。

組織のあり方や日々のコミュニケーションは、成果に結びついているのが前提だと思うのだ。

 

現場で仲良くするのが行き過ぎると、その時その時は楽しいけれど、毎晩飲み会で愚痴や上司の悪口の様な、意味のない、場合によっては後ろ向きのモーメントが発生する事態にもなりかねないし、特に若い者同士だったら、感情の縺れにも発展しやすい。

そうなってしまうと、人間関係の前提となる、会社業績すら毀損しかねない。

 

正直に言うと、若かりし頃の苦い反省があって、あえて合目的的に、ドライなスタンスを取らせてもらうことにしている。

しかし、そういう仕事への成果を追求する中で、「仲良くなる」ことは、むしろ大歓迎である。

 

真剣勝負を続ける中で仲良くなった同僚、友人というのは、それこそ掛け替えのない存在だ。

そういう方々とは、お互いの環境が変わっても、できる限りのおつきあいをさせていただいている。

 

ウェットなマネジメントが好きな経営幹部やオーナーは、割と社員に対して「仲良くする」ことを期待するので、色々注意が必要である。

「仲良くなる」ので十分だと思うのだが、それをなかなか理解してくれない。

 

というより、「仲良くする」ことを求めるマネジメントというのは、「組織へのロイヤルティ」を語りながら、実際には「マネジメントする人そのものへのロイヤルティ」を期待しているんじゃないかと思うけど、ね。

だからこそ、尚のこと馬鹿らしくなっちゃうんだけれども(笑)。

 

それでその都度転職してたらキリがないんだけど、ね(笑)。

まぁ、ご参考ということで。

助けを求めるのもスキル

いつも思うことなのだが…。

苦手な人ほど、練習しようとしない。

 

「ニワトリが先かタマゴが先か」かもしれないので、練習しないから苦手なまま、とも言えるのだけれど。

他にも色々ある。

 

処理能力が高くない人ほど、一人で抱え込む。

わかっていない人ほど、質問しない。

 

偉くない人ほど、偉そうにする。

自信がない人ほど、強気になる。

 

だんだん書いているとブーメランになって飛んできそうだ(苦笑)。

しかも今日述べたいことともズレていく…。

 

小生の知る限り、仕事のできる人、特に優秀な経営者っていうのは、あらかた自分でなんでも出来てしまう人。

偉くなっても現場感が失われることなく、実務能力も持ちながら、経営者としての視座、構想を持っている人。

 

また脱線するが、そういう経営者を現場の人間が打ち負かすのは、ものすごく難しい。

能力が高い上に、視座まで高いのだから、勝てるわけがないのだが、優秀な人間が上に居るのが正しい組織なので、それはそれで良いと思う。

 

で、そういう優秀な人というのは、放っておいても自分でなんでもできるけれど、自分一人で取り組めることの限界も知っているからなのか、ある程度ハンドリングした後というのは、仕事を人にお願いもするし、ある程度理解したとしても、確認の意味も込めてその道のプロに質問にくる。

そうやって、大きな成果や正しい方向に近づいていくのだと思う。

 

そして、一人で抱え込む人、聞きに来ない人との差が、どんどん開いていく。

なんだかこう、助けを求められない人というのは、何かあるんだろうか…?

 

人に助けを求めるという発想自体がそもそもないのか、仕事ができないと思われたくないのか、自分でこねくり回したいのか、本人の中では責任感が強いのか。

でも、会社員である以上、仕事は協力して行うものだし、一人で抱えて成果が出なければ余計できない人認定されてしまうし、抱えて結果が出なくて周りに迷惑をかけたら責任もへったくれもないので、スタンスとして全部ズレているんじゃないかと思う。

 

小生は新卒で銀行に入った時、抱え込む行為自体を許されなかった。

それは、お金を扱う仕事特有の事情とも言えるのだが、常に相互監視できる状態で仕事をしなければ不正の温床になるので、「抱える≒やましい事情がある」と判断されてもおかしくない、という不文律による。

 

また、意外と支店はチームプレーなので(体育会と言うべきか)、一人が業務のボトルネックになってしまうと、全員に迷惑がかかるので、致命的になる前に「ごめんなさい」ができない人間は、本当に血祭りに会うのである(笑)。

そんな育ちをしているので、抱えたり助けを求められない人に遭遇すると、凄く気になるし、不思議に感じてしまうのだ。

 

小生にとっては物凄く明白な結論なのだが、そういうことをしない人が結構いるということは、助けを求めたり、わからないことを質問するのも、実は立派なスキルのウチなのかなぁ、なんて思ってみたり。

偉そうなことを言うつもりはないのだけれども。

 

まぁ、ご参考ということで。

 

 

 

 

 

それでも人生は続く

別にポエムちっくなことを書きたい訳ではないのだが…。

いろんな人と、いろんな関わりをする中で、最近思ったこと。

 

人事評価でも、企画した事業の評価でもいいのだが、自分自身やその分身とも言える企画を、誰かが評価するというのは世の習い。

その評価が、自分が考えていたよりも、ずっと低くなったりするのもまた、世の習い。

 

その低い評価に、普通は打ちひしがれると思うのだけれど、それで自分の人生は終わらないんだよね。

良くも悪くも。

 

悪い評価によって、なんらかの「生き難さ」に繋がるかもしれないが、死ぬようなことはない、とも言える。

ことによっては、ずっと残る傷になってしまうかもしれないけれど、でも人生が終わらないということは、その傷を背負って生き続けるしかない、とも言える。

 

それでも人生は続いていく。

良くも悪くも、ね。

 

「どうせ人生は続くのだから、毎日ポジティブに生きていきましょう!」というアドバイスも何処かで聞いたことがあるけれど、残念ながら、そこまで振り切れる感じはしない。

だって、ネガティブな評価って実際のところ堪えるし、反省は反省で、すべきだと思うしね。

 

どちらかというと、いい意味での諦めというか、開き直りというか、そんな感じの方が中年男にはしっくりくる。

「あいつはダメだ!」「こんな企画はク○だ!」と罵られても、まぁその場は厳粛に受け止め、堪えもするが、「そうは言っても引き続き自分の人生を生きていくしかないんでね」という開き直り(苦笑)。

 

これこそレジリエンスなのではなかろうか(たぶん違う)。

それとも、このようにして、扱い難い頑固ジジィへと進化していくのだろうか?

 

未来を経験したことのない小生には大いなる謎である。

若者に「開き直り」をアドバイスすることはできるのかもしれないけど。

 

まぁ、ご参考ということで。