積読在庫消化。
バンクシーはそのいくつかの作品も含めて認識はしていたけれども改めて、ということでKindle日替りセールで買ったのだと思う。
その来歴と作品、評価と現在地を、類書の翻訳などで関わりの深い著者が解説したもの。
一介のストリートアーティストであったバンクシーの作品が、いかに美術マーケットで受け入れられていくかに目が行く。
バンクシー自身は美術マーケットに批判的で、そのようなスタンスを明快にした作品を幾つも送り出しているが、その批判そのものが作品、商品として評価され、そのカネの世界にバンクシー自身も取り込まれていき、最近では積極的に美術マーケットに絡みに行っているのではないかという見方もされているらしい。
バンクシー自身がどう考えているのか。
正直、個人的にはどうでも良い。
ただ、オークション含め、これだけ世界的に美術マーケットが定着していることを考えると、美術と美術マーケットは、あくまでも別のものと考えるべきなんだろうなと強く思う。
その作品の価値と、それが幾らなのかは全く関係がない。
値段については、自分より1円でも高く買う人間がいるという予想が成立するならば、例え一億でも十億でも売買は成立するという、バブルも内在した投機マーケットなのであって、その作品自体はなんでも良いのだ。
嫌だなぁ、ほんと。
まぁ、ご参考ということで。