人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

ベアフットラン雑感

先日、ランニングで使用していたホカオネオネのシューズを履き潰してしまった(1,000キロ引っ張った)ので、在庫として長く抱えていたメレルのベアフットランニングシューズに切り替える。

ベアフットランというのは、そのまま訳せば裸足で走ることなんだが、サンダル(ワラーチというランニング専用サンダル。強者は自作したりするらしい。)を履く人もいれば、ベアフットランを謳うペラペラのシューズで走る人もいるし、本当に裸足でいく人もいる。

 

そういう専用シューズとかサンダルには、「人間の本来の力を呼び覚ます」みたいな謳い文句がついていて、「そうか〜、人間本来の力か〜」なんて思い、いつかはしっかりベアフット、と思っていたのである。

「しっかり」というのは、過去に「ちょっと」試したことがあったのだが、続かなかったのだ。

 

これもよく知られたことなのだが、ベアフットランをやるとふくらはぎが痛くなるもので、小生もその違和感があってやめてしまった。

今回「しっかり」と思ったのは、在庫のシューズを処分するつもりで、あらためてやってみようと考えた次第。

 

で、今回トレーニングメニューの中に導入してみて、やっぱりふくらはぎが痛くなる。

多少の痛みの残りを感じつつ、今朝4本目となるランをやってみて、調子がいいときによく感じる、膝下の力が抜ける感覚が戻ってきて、ふと思ったのだ。

 

これは、裸足に近い形で走ることで使っていない筋肉が呼び覚まされる、などというものではなく、慣れない着地衝撃に体が過剰反応を起こし、過度の緊張→筋肉痛になっているだけなんじゃないか、と。

着地衝撃に慣れていくと、だんだん力が抜けていって(それでも厚底で走るよりは力が入っているのかもしれないが)筋肉痛にならなくなる、というだけのメカニズムでは、と。

 

その仮説が正しいのだとすると、着地衝撃を自分の足で(それも膝下メインで)吸収するか、靴に吸収してもらうか、だけの違いとなり、練習量が増えていくと結局ベアフットの方が怪我のリスクが上がっていくだけなんじゃなかろうか。

ベアフットランが流行り出したときに、フォアフット走法とセットで語られていたことが多かった。

 

裸足で走るとフォアフット走法になり、それが人間本来の走り方なのだ、と。

小生もその言説に惑わされた一人である。

 

が、個人的にはフォアフット・ミッドフット・ヒールストライクの議論は決着したと思っている。

着地を足裏の前側でするのか、踵側でするのかというのは、ほぼランニングのピッチの問題だ。

 

多くのランナーがそうである、やや前傾のフォームで、ピッチを上げていくと着地は身体のほぼ真下にくる。

真下にきた足裏は、その外側から着地が始まり、踵が着地し、中足部、指先と足裏が剥がれていく。

 

これはもう皆同じ。

フォアかミッドかという点は誤差の範疇だと思う。

 

なので、ベアフットランだとフォアフットになるわけではない。

靴と着地は切り離さなければならない。

 

それを踏まえて、裸足に近くなると何が起きるのか、ということを考えると、過緊張→筋肉痛なんじゃないかなと。

厚底は厚底で、デメリットがないわけではないのだが、怪我のリスクを下げるというのは大きなメリットだと思っている。

 

4本走っただけで決着させるのは早計だとは思うものの、長年の経験からくる直感は正しいんじゃないかなぁ、と思ったり。

まぁ、ご参考ということで。