リンクはこちら。
またランニング本で恐縮だが、Amazonで類書を推奨される中でポチった一冊。
誰でも始められると謳ったり、常識を変えなきゃいけなかったり、つくづくランニングとは手軽なのか奥が深いのか…。
本書は、箱根駅伝を目指す程のレベルにありながら怪我で挫折し、治療家となり多くの障害に悩むランナーと向き合ってきた著者による、ランニングメソッド本。
内容としては昨日も言及した「Born to Run(未読)」の系譜と言えよう。
脚で蹴る&腕を振るのではなく、胸を起点とする重心の移動で走る、というのが大意。
そしてフォアフット、出来れば裸足という徹底ぶりである。
もちろんそこには治療家としての理論や経験があるのだが、この辺りの主張は小生の感覚からしてみると、日本の武術的な身体の使い方に近い。
胸を起点にはしないのだが、小生も基本的には蹴らず溜めず(=振らず)重心の移動で技を使う。
それは怪我をしないとか効率が良いとかではなく、敵に知覚されにくいからなのだが、無駄のない動きという意味では、似通ってくるのかもしれない。
この身体の使い方が「究極奥義」かというと、実際にはデメリットもあって、インパクトが作れない(少なくとも小生のレベルでは)と思っている。
なのでランニングの場合も、短距離で急加速するためには蹴って振らなきゃいけないはず(1m以下とかの超近距離は別として)。
障害が出るということは、それだけ強い力が出ているわけで、それは局面に応じて必要なのだが、長距離走でやる話じゃないよね、というふうに理解した。
武術なんかやっていると、現代人が忘れてしまった身体の使い方に時々遭遇するので、小生にとっては「まぁそうね」という本書であったが、多くの人にとっては驚きをもって迎えられるのかもしれないなと思ったり。
とはいえ、武術家の立場から言わせてもらうと、なんでも全てを解決するわけでもないし、身に付けるにはそれなりに時間がかかるのよ、と。
まぁ、ご参考ということで。