人材周りの仕事をした経験があったりするし、サラリーマン生活も長くなっていろいろな経験を積むと、ホント日本の労働法とか労務環境って、製造業をベースに作られているなと思うわけです。
それが悪いことと言いたいわけではないのだが、上手く運用しないと実態に噛み合わないというのは事実で。
多数の労働者を少数の人間で管理監督する、という前提もその一つなんじゃないかと思う。
極端な話、一つの仕事(もしくは定型化された仕事)を多くの人間で遂行するというのであれば、多数の労働者を少数の人間で管理監督する、というのは成り立つ。
でも、いまどきのホワイトカラーの職場って、何百何千という種類の仕事(もしくは非定型の仕事)を、数人から数十人で回す、という感じじゃないですか?
そうなると、ひとりひとりの労働者は都度「これってどうしたらいいんでしょうか?」となるし、指示を仰がれた管理職も全部の仕事を把握しているわけではないから「たぶんこういう感じじゃないでしょうか(あとは宜しくやっておいて)」となる。
で、労働者の判断で遂行できない業務の割合が多いほど、管理者への照会が多くなり、管理者のアウトプットに生産性が依存し、10人の職場が10人分の生産性ではなく、管理者プラスアルファの生産性になってしまう。
たとえ担当者へ権限移譲したつもりでも、担当者だって怖いから管理者への照会はなくならない。
管理者がやれることといえば、担当者ができる限り自信を持って自分で判断できるよう、会社の方向性・価値観・判断基準を常日頃からコンコンと伝えつつ、「これ前にもやったことがある」「前にやったのと似ているからこうすればよいのでは」となってくれるよう、時間をかけて取り組んでいくしかない。
「なんでもかんでも私に聞かないでくれ」という愚痴をぐっと我慢しつつ・・・。
DeNAという会社の理念の中に、「球の表面積」という言葉がある。
組織はピラミッド構造ではなく球体であり、たとえ今日入社した新卒だったとしても、球体の表面を構成する一員として会社を代表する存在・役割を担ってほしい(=球体の表面上の一点は全て頂点であることに由来しているのだと思う)というものだ。
いや、ほんと、そうあってほしいですよ・・・。
忍耐ですなぁ・・・。
まぁ、ご参考ということで。