昨今話題の「働き方改革」を巡って、下記のような主張を目にした。
https://www.businessinsider.jp/amp/post-100838
この記事の趣意自体は、読むに値すると思うので、是非ご一読を。
しかし、小生が引っかかったのは、記事中の「大企業の労働生産性が悪い一つの理由は、特に根回し文化の日本企業の場合、コミュニケーションのすり合わせにすごく時間がかかるからです。」という一文である。
それは確かにそうなのだが、何故そうなのか、という疑問が思い浮かぶ。
幾つか考えつくのだが、今日提起したい仮説は、実は多様性の裏返しなのではないか、というものである。
ご承知の通り、日本の企業は長い年月をかけて偉くなっていくので、現場の担当者と意思決定権者が親子ほど(下手をすると孫ほど)歳が離れていることが多い。
ここでまず、世代間ギャップを埋める努力が必要になる。
事業においても、「選択と集中」に振り切らず、多様な事業モデルをインハウスで抱えている大企業は多い。
事業が異なると、当然事業に対する見立てや価値観はバラバラなので、関係者の出身母体が異なると、価値観の齟齬が生まれやすい。
なんとなく意思決定が早い企業というのは、オーナーが全てを決めるような会社を別とすれば、モノカルチャーで、事業モデルもバリエーションが多くない会社のように思う(リクルートを想起する人も居るかもしれない)。
若者だらけでで単一事業の会社があったとすれば(スタートアップっぽいが)、その会社にとっての「正解」って、そもそも多くならないので、意思決定で揉めようがない気がしないだろうか?
政治の世界は古今東西、根回しが必要だが、戦略遂行局面での実行部隊たる軍隊に根回しは要らないのと同じかもしれない。
では、そういう多様な組織、今後ますます多様になっていく組織で、コミュニケーションコストを下げ、意思決定をより良いものにするためには、どうしたら良いのか?
これはもう、決裁権限を現場に落としていくしかないように思う。
全体の権限を下におろしていくのは、それこそ根回しが大変かもしれないので、ありきたりだが「タスクフォース」的な在り方を、上手に使い続けるのが、結局は良いのではないだろうか。
多様な議論をタスクフォースで吸収しつつ、意思決定そのものには最小限の関係者で実施する。
多様性が仇になるという認識を元に、タスクフォースの運用を進めていけば、きっとこれまでとは違った成果に繋がっていくのでは、と考えている。
まぁ、ご参考ということで。