人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

学を為して世に問うのもしんどい

中国古典が続く。

 

「中国古典一日一話」の中に韓非子が取り上げられていて、なんとなくサラリーマン処世術的に役立ちそうだったので買ってみる。

原文、読み下し文、現代語訳の構成は久しぶりですな。

 

それはともかく、韓非という人は法家に分類される春秋戦国時代の思想家。

法家といっても、今の大学の法学部で習う法律ではなくて、仁や徳ではなく規律をもって統治するという専制支配の術の話。

 

誰にも心を許してはならぬとでも言わんとするようなリアリズムと、専制君主に殺されないためのドライな処世術。

オーナー経営者と向き合うサラリーマンには必須のスキルかもしれないが、悲しいかな、若干いじましいものを感じる。

 

死ぬほど勉強してオリジナルな思想を考えぬき、それをもって時の王に雇われているけれども、いつクビになるか、下手すれば殺されるか分からないので、どうしても「おもねる」ことになる。

何千年も残る素晴らしい知恵なのに、どうしても卑屈な匂いが抜けない。

 

ひょっとしたら、その辺りの人間の業みたいなものも含めて、愛され、支持されたりしているのかなぁと。

ちなみに、この「ビギナーズ・クラシックス」というのは、入門書としてエッセンスを紹介してくれる、とっつきやすいシリーズのようだ。

 

コンプリートしなくても良いとは思うが、いろいろ漁ってみたい。

まぁ、ご参考ということで。