人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

まだまだわかっていないことだらけ

こんな本を読む。

 

たぶんKindle日替りセールで遭遇し、レビューが高かったので買ったのだと思う。

Amazonレビュー4.5にハズレなし、である。

 

国立科学博物館所属の研究者による、一般向けの解説書。

たぶん読書好きなら小学生でも読めると思うので、早速娘にもお薦めしてみたり。

 

時々ニュース等で見聞きする、海岸に鯨類が打ち上げられる事件。

実は日本全国だと毎日のように起きているそうで、著者たちのような研究者たちは現場に駆けつけ、回収して解剖したり、現地でそのまま解剖したりして、生態研究に勤しんでいるとのこと。

 

それだけで既に「へ〜」なのだが、海棲哺乳類の生態は、まだまだわかっていないことが多い。

何十頭も何十頭も解剖し、構造を検証しなければ、種としての特徴は定義できない。

 

そりゃそうだ。

人間だって一人一人の個体を見ればバラバラで、その個体のデータを積み上げて人間としての共通点を見出すというのは、想像するだけで気が遠くなる。

 

そういう地道な研究を、と言いつつあんな大型哺乳類の解剖だから重機まで動員する力仕事なのだが、そういう営みを日々繰り返し、人類の叡智に貢献してくれている著者たちには頭が下がるのである。

それにしても、著者はなかなかセンスの良い書き手のようだ。

 

誰に対してもわかりやすく、少し笑えるエピソードを織り交ぜる、というのはなかなかできるものではない。

今後の著作が、楽しみである。

 

まぁ、ご参考ということで。