定期的に読むブログで紹介されていて、Amazonのレビューも非常に高評価だったので読む。
たしかに面白かった。
小生は経済学を主として学んできたわけではないが、金融機関に勤めたことがあり、事業計画構築のために経済・社会を広く理解いている必要もあり、そういう経験の人間には大変興味深く読めたのであった(ちょっと長いけど)。
日銀総裁の定例会見の内容が何故かくも取り上げられ、実態のない存在でしかないコメントがフォーカスされるのか、その理論的説明がなされていて、そこだけでも「なるほどそういうことだったのか」である。
残念ながら、物価とは何なのか、タイトルの答えを人類はまだ手にしていないのだけれども、これまでの研究の積み上げの解説や、著者による仮説は非常に刺激的。
長期の緩やかなデフレはこの国に何をもたらし、結果的にみんな何に困っているのか、いち市民として腹落ち感がある話をしてくれる。
明日からすぐに役立つかと言われれば、全く違うのだが、深い思考の奥行きを知るエキサイティングな読書体験であった。
こういう本をもっと読みたいなぁ。
まぁ、ご参考ということで。