人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

行動変容の手掛かり

こんな本を読む。

 

出会ったきっかけはKindle日替りセールだと思う。

レビューは高く評価するものとそうでもないものとまちまちだったが、興味を持ったのでポチる。

 

そして、昨日まで読んでいた「失敗の科学」とも関連するんじゃないかということで拝読。

なかなか面白かったし、個人的に考えさせられることもあった。

 

冒頭に「行動経済学とは」みたいな解説があり、その後は医療現場でありがちな、医療従事者と患者の「すれ違い」に対して、行動経済学的なアプローチがどのように貢献したか、という実証研究事例がいくつか続く、というものである。

がん検診の受診率が上がらないので、「受けるとこんなにいいことがありますよ」というメッセージと「受けないとこんな酷いことになりますよ」というメッセージの二つを用意したところ、行動経済学でいう「損失回避バイアス」が働いて後者の方が受診率が上がった、みたいな内容である。

 

新規事業のコンサルティングをしていると、必ず医療系のテーマに遭遇する。

そして必ず「未病・予防」領域のテーマが登場するのだが、このテーマは結局、患者予備軍をどのように行動変容させるのか、その一点に尽きる。

 

結局それって難しいよね、ということでアイデアが行き詰まることが多かったのだが、本書にはその解決策につながるヒントがあるように感じた。

とはいえ、行動経済学は一つのアプローチでしかなく、そのアプローチだけで新たなビジネスが立ち上がるほど劇的な効果は期待できないと思うのだが、まさに現場で試行錯誤している人たちには、意味はある本なんじゃないかと思った次第。

 

まぁ、ご参考ということで。