人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

教えるということ

この一年ほど、ボクシングの練習をしている。

昔から目が悪かったので、ちゃんと取り組む機会はなかったのだが、一度はやっておきたいと思い、フィットネスジムではあるが、元プロボクサーがボクシングのプログラムで運営しているジムに通っている。

 

一通りのパンチやディフェンスの技術を教わった後は、基本各自の自由に任されていて、ミット打ちの時にフィードバックを貰うくらい。

それでまぁジムとしては良いのだが、こちらの探究心は納まらないので色々調べることになる。

 

何か新しいことを学ぶ経験を通じて、合気道の道場運営の参考にもなればと思っていたこともあり、調べるツールは今時のYouTube

最初はイギリス人YouTuberのトレーナーを見て練習し、次はアメリカ人YouTuberトレーナー、過去現在の世界チャンピオンの動画を見倒して、いまはある日本人トレーナーのチャンネルをひたすら見ている。

 

ボクシングのテクニックって、本で読んでもそれまでのYouTuberの動画を見ても、そんなにバリエーションはないのだ。

ヨーロッパ、アメリカ、キューバとか、ちょっとずつテイストは違うけれど、パッと見て「ふーん、そんな練習もあるのね」というくらい。

 

しかしいま、ハマっているトレーナーはちょっと違う。

細かいテクニックも含めて、コンテンツが山ほどあるのだ。

 

ディフェンスがよりうまくなるためのテクニック。

いざスパーリングとなったときに、どのような戦術で臨むのか。

 

どうしても力みが取れない場合はどうするか。

攻撃した後すぐに反撃されてしまうがどうしたら良いか。

 

そんな、一通りできるようになった後、みんな引っかかるであろうことを丁寧に丁寧に解説している。

もう何十本も見ているが、感じるのはトレーナー自身が選手として、トレーナーとして指導する中で、いろいろな試行錯誤を繰り返し、悩み努力して出てきたものなんだろうなということ。

 

言われたことをしっかりやって、それなりに工夫しつつもチャンピオンまで駆け上がってしまうような才能のある人は、逆に語れることがあまりない。

亡き師匠も、目的意識を持って稽古を続けた人間だけが名人・達人になれると教えてくれた。

 

ちゃんと考えて試行錯誤する。

悩み、苦しみ努力する。

 

悩み、苦しんでいる人に寄り添い、手を差し伸べ、共に考える。

そこまでできて、良い指導者と言えるのかもしれない。

 

そして寄り添えるかどうかというのは、能力だけの問題ではなく、態度や姿勢の問題だったりすると思う。

身が引き締まる思い。

 

まぁ、ご参考ということで。