こんな本を読む。
松岡正剛氏については亡き師匠も言及していたし、周囲にお好きな方が多かったにも関わらず、ずっと縁に恵まれず、やっと本書を手にした次第。
「編集」という概念を価値あるものとして、いや寧ろそれこそが創作であるというレベルで、世に知らしめた氏の功績は大きい。
本書は日本文化を取り扱い、特に多様な価値観を編集する中で組み上げてきた日本文化の特徴を、様々な切り口で示してくれる。
もうね、「へー」の連続。
武道を習い、師匠に色々なことを教えていただいたけれど、全然知らないことだらけ。
お節料理は作り置きしてお正月にお母さんを休ませるためと教わった記憶があるのだが、全然違うんだよね、ほんと。
ただ知らないだけじゃなく、色んな背景で間違った理解が浸透していたりするわけで、恐ろしいことこの上ない。
師匠が生前、昔の侍は建屋の中で刀を差す習慣はなく、ましてや座った状態で刀なんか差していなかった。
だから居合というのは稽古の方便で、あの稽古を行った流派が生き残っただけの話なんだよと。
そんなエピソードを思い出す。
ビジネス書も飽きてきたので、柳田國男や網野善彦あたりにいよいよ手を出してみますかね。
まぁ、ご参考ということで。