人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

天才待望論

本職?に関わるのでこんな本を読む。

 

出会いはKindle日替りセールだったと思う。

このテーマに類する本はそれなりに読んできたし、どの本も結論に大きな違いは無いと感じている。

 

両利きの経営、部門横断型人材、創発の場…。

本書も概ね主張は共通しているが、理論と実践の厚みが凄いことは熱量で伝わってくるのだけれど。

 

ただ、これは本当に雑な感想で申し訳ないのだが、スタートは科学的、論理的に始まるものの、最後は部門横断ができるマインドと能力を持った人材の育成と、創発・共創の場の提供という、なんともモヤっとした、情緒的な結論で終わるのも類書と共通する感じがする。

両利きの経営がやれるほどの余裕が(色んな意味で)無い会社はどうするのか?人材を狙った通りに育てられるのか?場を作ったくらいで本当にイノベーションが生まれるのか?という疑問に対して、明快な回答はできないのである。

 

アメリカの事例を引き合いに出しているが、あの国は、巧妙な戦略に結果論も加わって、世界中からヒトモノカネが集まるようになっていることがイノベーションの源泉だと小生は思っている。

なのに制度だけを模倣して、そこからある種の特異人材が生まれるというのは、かなり確率が低そうな提言に感じる。

 

ちゃんと経営して収益を上げ、優秀な人材を集めて研究開発を続ける。

なんとも面白くない不都合な真実が、本当の正解じゃないかなぁと思ったりするのだ。

 

まぁ、ご参考ということで。