人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

「アジャイルサムライ」 読了

まずリンク。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

 

 

執筆関係者にお世話になった方が居り、お話を聞いて購入した次第。

本書は、アジャイル開発についての指南書というのが、最も簡単な説明だろう。

 

小生は完全なる営業・企画畑なので、プログラム開発とは個人の職務として係わりのない人生を歩んできたのだが、人材の仕事をしていた関係で、アジャイル開発に取り組まれてきた技術系の上級職の方々ともやりとりがあり、一応なんとなくは理解していたつもり。

関係者にお世話になった方が居るのもあったが、”なんとなく”も嫌なので、読んでみた。

 

アジャイル開発は方法論について、その取り組み方、固有の用語の解説、注意点などが、楽しい雰囲気で順序よく展開されていて、プログラミングの”プの字”も知らない小生でも、一応一通りの理解はできた(と思う)。

読んでいて、先日読んだこの本を思い出した。 

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか

 

 

アジャイル開発には良い点があるのは確かだが、短期間で着実に成果を出すことが求められたり、そういったプロセス自体や、そもそものゴールを、クライアントとしっかり握らなければならず、厳しい要求もある(厳しい要求を前向きにこなすから成果が出るというべきか)。 

残業ゼロは素晴らしいが、同じパフォーマンスを定時で終わらせる厳しさや、それを前提にクライアントとの関係性を握り直すエピソードが、アジャイル開発とよく似ていると感じたのだ。

 

アジャイル開発にしても、残業ゼロにしても、掛け声だけで何かを解決してくれる、万能の杖など存在しない、ということが良くわかる。

どんな打ち手であっても、それは皆が嫌いな現状変更を伴うものであり、何の為にという目的と、遂行のための努力がなければ、ただのポーズで終わるのだ、ということを本書は(本書も)教えてくれる。

 

しかし、本書の”サムライ”というのは、アメリカ側の編集者が付けたタイトルだそうである。

本書のサイドストーリー(?)にも、アジャイル開発をマスターしようとする弟子と師匠が登場するのだが、欧米人というのは何かを極めようとする弟子と、それを”凄そうな言葉”で導く師匠(マスター)が登場するプロットが好きなのかな、と余談ながら思った。

 

小生は武道の方で、本当の師弟関係があるから、ある種、生活の中で当たり前になってしまっているのだけれど、あんな風に明確に上下関係がある”師弟”というのは、アジア圏以外では珍しいかもしれないね、と。

”凄そうな言葉”を折々に発していれば、マスターっぽく欧米人ウケするのかな、なんて考えてみたり(笑)。

 

まぁ、ご参考ということで。