人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

誰の弟子か、いつの弟子か

合気道は本業の一つなので、たまには真面目に研究してみる。

 

若い頃欲しくても買えなかった人たちが出版界で偉くなったからなのか、最近は小生が高校生〜社会人になりたての頃の武術関係の本が復刻されている印象だが、こちらは昭和37年初版、合気道の技術本初期の一冊。

二代目道主の手によるものである。

 

合気道の厄介なところは、作った本人が体系立てて教える気があまりなかった(自己の技の完成を追求していた)らしいこと、若い頃から晩年へとスタイルが結構変わってしまったことがあって、誰から教わったのか、いつ頃教わったのかで、伝承する技(スタイル)が、かなり違ってくるのである。

体系立てて教える気があまりなかったので、それぞれのお弟子さんが自分なりに解釈・整理をして物にしていくしかなく、個性豊かとなる。

 

そして、いつ弟子だったかによって、見ていた技、真似したスタイルが違うということになり、たぶん弟子同士の見解がずれていくことになりやすい。

そこをまぁ求心力たるために頑張ってきたのが歴代宗家ということなので、本書の著者である二代目道主もその後の三代目現道主も、本当に苦労されたんだろうなぁと、今更ながら理解する。

 

だってまぁ、小生が稽古してきた技と、本書に載っているそれは、もう全然違うもの。

素人目にはスタイルの違い程度にしか映らなくても、細かい文字から連想される動作に通底するコンセプトが、たぶんぜんぜん違うので、思わず小生が稽古してきたのは合気道だったのだろうかと不安になるほど。

 

小生でこのレベルだから、昔の我の強いお弟子さんはもっと反目しただろうし、そんなお弟子さんがウジャウジャいる中で、それでも「本部道場」として泰然とするのは、まぁ大変だったろうなと。

さて、「伝言ゲーム」で三代目、四代目とも更にかけ離れたであろう小生の合気道、今後どうしていこうかなぁと悩みは深くなるばかり。

 

先生、どうしたらいいんでしょうねぇ…。

まぁ、ご参考ということで。