人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

ブラジリアン柔術はじめました4

第四話。

合気道への影響は。

 

うん、いっぱいあった。

型稽古しかなく試合がない合気道と、型稽古はあるけれど試合(スパー)中心のBJJとで、コントラストは大きかったし、共通点もあった。

 

まず取り入れてみたのは、ダブルアタック・トリプルアタックの概念。

何かの仕掛けをしてダメだったら別の展開を仕掛ける、ということをあらかじめ織り込んで動き出す、ということなのだが、合気道では技は掛かることがお約束になっているので、そういう発想がスコンと抜けがちなところがある(師匠から教わっていないわけではない)。

 

表技がダメだった時の裏への展開、あの技がダメだった時の別の技、という組み合わせは、非常に思考を刺激するものだった。

これは今も研究中。

 

最近研究を始めたのが、アクション・リアクションの概念。

ダブルアタック・トリプルアタックと似ているのだが、押し込んだら押し返してくるのでその力を利用して技をかける、という話。

 

合気道は「片手取り」といったら、ただ掴んでくるのだが(掴みにくる流れを捌く、というのはある)、本来だったら掴んで押し込んでくるか、引っ張り込んでくるかするはずで、それを実験してみると自ずと使える技が限られてくる。

この、状況に応じて技の選択をするというのは、BJJでは普通だけれども、少なくとも小生の合気道人生においては革命的な発見であった。

 

いや、どんな状況でも狙った技をかけられるように修練するのは素晴らしいことなんだけれども、そんなのはファンタジーでしょ、と思うわけです。

だって天才的な師匠について30年近く稽古してきて五段も持っている小生が掛かったり掛からなかったりするわけだから。

 

もう一つ、先週から検討を始めているのが、関節技の「極め」の話。

BJJでも格闘技の世界では、極めたい関節の前後(上下?)の関節を制してから力を加える、というのが常識。

 

腕十字なら肩(と手首)をコントロールしないと肘はなかなか極まらない。

で、合気道は特に手首の関節を極めることが多いのだが、その先の肘は固定していないことが多い。

 

勢い、身体は流れていって、最終的にうつ伏せで制していくのだが、本当に手首を壊したいのであれば、肘はロックしなければならないかも、なんてことを考えだしている。

なんじゃそりゃ・・・なのだが。

 

あと、BJJはテクニックとスパーの相乗効果が本当に良くできているなと思っていて、テクニックのレベルが高ければスパーも強いということで、型稽古をおろそかにしないスパイラルが成立していると感じる。

もちろんテクニックだけでなく、判断力も重要なんだけれど。

 

そういう意味で、合気道でもスパーはできないかなぁと思ったが、なかなか難しいということもやっぱりわかった。

どうしてもグチャグチャになる。

 

割り切って取り組んでみても良いのだが、結局のところ乱取りは稽古しきれないのかなぁという気もしている。

無理に乱取りをやってみても、乱取りのルールの中で強くなるだけ、というリスクもあるし、やってみてもなんかあんまり上達する感じがしなかったので、そこは直感を(今のところ)信じている。

 

BJJの帯色別の実力差、それも圧倒的な実力差は、なんだかよくわからないけど段位が上がっていく合気道でも是非参考にしたいと思ったが。

続く。