短編集でお薦めを探していて、こんな本に遭遇する。
表題作は「メッセージ」というタイトルで映画化もされた。
観ていないのだが国内のプロモーションで「ばかうけ」とコラボしていたのを記憶している。
あぁ、「ばかうけ」バリバリ食べたい。
いや、そうじゃない。
本書は表題作を含め、SFの多くの賞を受賞した複数作品の短編集。
ではあるのだが、個人的にはあまり刺さらない。
よく考え、練られているのはよくわかる。
思考実験としてSF的な状況が個人の内面にどのような変化をもたらすかを示したいのもよくわかる。
しかし、そのSF的な状況が現実・現在と乖離がありすぎていて、着地点があやふやという印象を持った。
思考実験は結局、現実や現在に回帰していかないと、「どれだけ独創的なことを考えたか大会」になってしまうような気がする。
そこがどうもなぁと。
単なる相性の問題のような気がするが。
ストーリーテリングの面白さで引っ張っていったり、意外性で衝撃を与えるとか、やり方は色々あると思うのだが。
ハヤカワ文庫のSFはサイズが一回り大きいらしく、手持ちのブックカバーに入らない。
思えば相性の悪さはそこからだったか…。
まぁ、ご参考ということで。