何度も繰り返し読むような、心に残りながらも敷居が低い作品はないかと思って、今まで読んでみたことがないジャンル、作家に手を出す。
「無人島に持っていくならどの一冊?」という質問の答えを探しているんだね。
敷居の低さを求めて、短編集のオススメをネットで探し、登場したのが本書。
著者はミステリー系では相当有名な作家さんだが、フィクションをあまり読んでこなかったこともあり、作品を手にするのは初めて。
で、短編集ではあるのだが、それぞれの話に繋がりがあり、読後感としては一冊で一つの物語だなぁ、という印象。
悲惨なことにも過激な展開にもならないので、普通に小学生の娘にも読ませて良いと思った。
別々の物語がつながっていくカタルシスと、登場人物それぞれの機微とユーモアが作家の腕なんだろう。
また読んでもいいかなぁと感じたが、しかしこういう有名作家と接点を持たない人生を随分続けてきたなという感慨も去来する。
かなりどうでもいい話だとは思うのだが、こういう有名作家の作品を一通り読む人生だったら、どんな感じだったんだろうなと考えたりする。
少なくとも今みたいな性格、生活、人生ではなかっただろうというのは想像する。
読む本が違えば、きっと友人も違うだろうし、そうなれば生活も、その経験から得た性格も違うだろうし。
そんなことを考えてしまった次第。
まぁ、ご参考ということで。