人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

何を教えるか、どう成長させるか

最近知り合った人が、小生が合気道を続けていることを踏まえて教えてくれたことがある。

その人も近所の合気道の道場に通ってみたのだが、お爺ちゃん先生に二ヶ月間ひたすら受け身を取らされて、辛すぎて辞めたのだと。

 

あぁ、さもありなん、と残念な気持ちになる。

きっとあれをやらされたんだなと何となく想像はつくし、その先生が何を思ったのか、わからないでもないが、そりゃ辞めるよねと、その話を明かしてくれた人に同情する。

 

合気道は入門したら、まあ受け身はやるとしても、あとは本部道場が定めた審査規定に則り、基本技と言われるものから順番に覚えていくことになるのが一般的なはず。

ただ、それ以外の練習については、その道場の先生の自由に任されていると言ってもいい。

 

残念ながら、一人一人の入門者が何を考え、何処を目指しているのかを汲み取り、それに寄り添って指導をしてくれる先生というのは、知る限り多くはない。

元々は武道の世界がサービス業ではなく、「選ばれた師匠が選ばれた弟子に選ばれた技を教える(合気道開祖の言葉)」世界だからだ。

 

それがさらに時代を降り、今や全てにおいて「本当に選ばれてるのか?」という事態になっているんじゃないかと謙虚に考えた方が良い状況になっていると思う。

特に合気道なんていうのは、世間的に勘違いされていることが多い(「気で飛ばす」とか「相手の力を利用する」とか)ので、そもそもなんで合気道をやろうと思ったのか、その根底のイメージを丁寧に拾ってあげて、勘違いがあるならそれを踏まえた上で、そのイメージにどれくらいのペースで到達したいのか、一人一人と向き合って行く必要があると考えている。

 

本部の審査規定は、その最もシンプルな指針として活用しつつも、入門者に何を教え、どう成長させるのか、考え抜き、示していくのが指導者としての勤めなんだと思う。

出来てないけど。

 

まぁ、ご参考ということで。