人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

オーナー家の宿命

トヨタのEVに関する大々的なリリースを見て、思わずこんな本を読む。

 

最近の本ではあるが、現役の経営者に関する評伝なので、さっさと読んでおいた方が良いタイプの本である。

社長就任前後の時は「プリンス」なんて言われていたけれども、もう65歳なんだねぇ。

 

生い立ちから入社後のアレコレ、社長就任から現在に至るまでを、経済記者らしい客観的な筆致で描かれている。

表紙のデザインよりはライトに辞める、経済誌の読み物である。

 

豊田章男氏の社長就任が既定路線(当時は大政奉還などと言われた)なのか、実力で勝ち取ったのかは分からないけれど、何十万人といる社員から実力で社長になったのが偶々オーナー家出身者だった、なんていうことは天文学的な確率なのであり得ない。

一方で、凡庸な人間がオーナー家だからというだけでトップには立てないのもまた事実かと。

 

寧ろオーナー家の人間として、変なことはできないというプレッシャーの中で生きていく、という宿命なのであろう。

お父さん、普通のサラリーマンでありがとう…。

 

それはともかく、豊田章男という人間がいかに育ち、アイデンティティクライシスを乗り換え、この激変の時代に向き合おうとしているのか、その一端を知り得るだけでも充分に面白い。

経済娯楽読み物として、気軽に読むことをおすすめする。

 

まぁ、ご参考ということで。