人間到る処青山あり

諸々よもやま話(とりあえず)

これは考えさせられる

組織・人事に関連してこんな本を引っ張り出す。

 

最初に述べておくと小生は稲盛さんの書籍とは距離を置いているタイプの人間である。

根が性悪説なもんで…というのはさておき、JAL再生の話を今更ながら読んでおきたいという動機で購入していた。

 

稲盛さんが会長就任にあたり、連れて行ったのはわずか三名。

個人として受けた仕事だから、大掛かりにできなかったそうだが、京セラ、DDIで培ってきた稲盛経営、即ちフィロソフィーとアメーバ経営の両輪の伝道師をアサインしたらしい。

 

で、ちゃんと再生したという結論はわかっているので、上手くいったのである。

もちろん人員カットもしたし、債務免除も資本注入もしたし、それらの効果が圧倒的だと思うのだが、たかだか三年で三万人もいる大組織が変わるものなのだろうか?

 

信じられないのだが、実際に変革したのだから信じるしかない。

「フィロソフィー」っていうのはまぁ雑な表現で言ってしまうと精神論である。

 

人間の考え方ってそんなに短期間で変わるのか?

アメーバ経営」というのは超小規模の日次部門採算性みたいなものだが、歴史あるマンモス企業でそんな制度導入を短期間で導入し定着させることが可能なのか?

 

それをやり遂げるから稲盛さんは凄いのか?

いや、元々JALにはそれをやれるだけの下地があって、だから三年で変革できただけなのか?

 

日々会社員として過ごしていると、組織というのはなかなか変わるものではないということを、嫌というほど思い知らされるのだが、そんなことはないんだと本書は訴えかけてくる。

それでも信じがたいという気持ちも残るが、ちょっと考えを改めなければならないのかもしれない。

 

まぁ、ご参考ということで。