前から読みたかった本書を手に取る。
著者の本はたいてい読んでいて、いずれも深い共感を持ってきたけれども、本書はかなりラディカルな主張のように感じた。
簡単に言えば、すでに人間の主要なニーズは満たされており、従来の経済合理的な思考では行き詰まってしまうため、より人間性に回帰した分野にシフトしていかねばならない、というもの。
SDGsとか、パンデミック後の社会の在り方も踏まえ、なおのこと説得力を持っているのだが、果たしてそんなことができるだろうか、という風にも思う。
実現できればそれは良いかもしれないけど、そのためにはあそこが…ここが…やっぱりあれがこうで…ということをすぐに考えてしまう。
しかし、ふと思い返す。
イノベーションというのは大抵の場合、すでに市場でポジションを持っている強者が進化するのではなく、新たなプレイヤーが既存の強者を淘汰することで進んでいくのだ。
難しい理由をすぐに思いついてしまう小生は、すでに旧世代であり、若い世代に淘汰される側なんだろうと思ってしまう。
新しい世代に期待しつつ、きれいに淘汰される旧世代として、美しく散りたいものである。
いや、そんなことを言ってしまうのは無責任だし、まだ早いか…(苦笑)。
まぁ、ご参考ということで。